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2匹の猫住職がいるお寺 でも、触られるのはまだ苦手

6/4(月) 15:03配信

sippo

 長野県下伊那郡高森町にある天台宗の瑠璃寺は、源頼朝が祈願所とし、武田信玄が仏道修法の場とした歴史がある。春になれば、源頼朝が寄進したと伝わる枝垂桜が見事な花を咲かせる。

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 そんな境内を闊歩するキジ白の猫住職「みゃあ坊」( 約6歳、オス)。推定年齢3歳の頃、身体中キズだらけで寺にやってきて、化膿しやすい体質なのか怪我が治るまでに3ヶ月も要したという。

 今では無事お寺の飼い猫となり、いつしか猫住職と呼ばれるように。「神出鬼没につき、見かけた人には福が来ます」と瀧本慈宗住職。少し怖がりなので、今は人馴れするところから修行中。触られるのは苦手でも、お客さんの写真撮影には応じてくれる。時には国指定重要文化財の薬師瑠璃光如来三尊像がある境内のネズミを捕まえたりと、なかなか心強い存在だ。

 瀧本住職は犬派だったが、伊勢のおかげ横丁で生命形態作家もりわじん氏の猫神様に出会って感銘を受け、制作を依頼。平成18年に奉納された猫神様は、完成に1年9ヶ月を要した大作で「瑠璃の里会館」で参拝できる。薬師猫神様は、頭に可愛い干支を乗せた十二神将と、日光神・月光神を従え、実に神々しい。

 その「瑠璃の里会館」で薬膳の講座や素材販売を行う藥壺堂を営む青山洋子さんも、猫住職のお世話係の一人。お寺で保護し、里親さんに恵まれた猫たちは4匹いる。元野良は、お世話にも病院へ連れて行くにも時間がかかるが、人慣れ修行してもらう。猫神様のご利益もあるのだろう、猫好きの参拝者に見染められて良いご縁をいただいたそうだ。

 昨年から、みゃあ坊によく似たキジ白「みゃあ2」(約3歳♂)が寺を出入りし、猫住職に仲間入り。実は彼の方が人懐っこく、愛想が良い。体型も今では6.5キロとふっくらとして猫住職向きかも。

 下伊那地方はかつて全国でも養蚕が盛んな地域で「お蚕様は床上で寝て、人間は土間で眠る」と言われる程、蚕は貴重な存在だった。高森町には、馬頭観音以外にも猫神の文字が彫られた猫石や、猫の姿が彫られた石仏が街道筋に点在する。

 薬師猫神様に病気平癒を願うもよし、境内にあるピンピンコロリ地蔵に手を合わせるもよし。会館内にはお守りや縁起手ぬぐいなどの猫グッズも置かれており、境内では猫神様の御朱印もいただける。

(「猫びより」から/写真・文 原田佐登美)

sippo(朝日新聞社)

最終更新:6/4(月) 16:50
sippo