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猫が30歳まで生きられる? 腎臓病から救うAIM製剤の研究現場

6/6(水) 11:20配信

sippo

 猫は腎機能障害を起こしやすく、腎不全は猫の長寿を阻む大敵だ。その猫の腎不全を改善・予防するAIM製剤が数年後には実用化されるらしい。そこで、AIM製剤の研究開発を行っている東京大学大学院医学系研究科の宮崎徹教授、研究に協力している獣医師の小林元郎先生と猫の飼い主・岩崎裕治さんにお話をうかがった。

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 ロシアンブルーの楽ら くちゃん( ♀ )は、代々木八幡の高台にあるマンションに住んでいる。2歳で腎不全を発症しながらも、去年の夏に15歳の誕生日を迎えた奇跡の猫だ。この楽ちゃんは、一昨年から昨年にかけて画期的な治療薬・AIM製剤の研究に協力した。

 楽ちゃんの主治医で、AIM製剤研究に協力している小林先生(58歳)は、成城学園前駅近くの閑静な住宅街にある成城こばやし動物病院の院長。他の動物に比べ猫の死因には腎不全が突出して多く、小林先生も30年の診療経験からそのことを実感してきた。

「腎臓は血液を濾ろ過かして老廃物を取り除くフィルターのような役割を果たしていますが、猫はこのフィルターが目詰まりを起こしやすい。だから猫には腎機能障害が多いんです」

始まりは肥満研究

 小林先生は動物の健康寿命を延ばすための医療に力を入れており、動物版メタボリックシンドローム対策の導入に向けた研究に携わっている。その参考にと“肥満のメカニズム”についての講演を聴いたことが腎臓病リスクの高い猫の未来を大きく動かす。

 講演を行ったのは、1999年にAIMという血液中に含まれるタンパク質を発見してその研究を続けている東京大学大学院医学系研究科の宮崎徹教授。その講演で「猫には機能するAIMがないので肥満に制御がかかりにくい」と耳にして驚いた小林先生は、改めて詳しい話を聞きに宮崎教授のもとを訪れる。

「話の最後に何気なく、“AIMで腎臓病が治ります”と付け加えたので、また驚きました。それで猫は突出して腎不全が多いことを伝え、猫の研究をおすすめしました」

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最終更新:6/6(水) 11:20
sippo