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外国人労働、課題山積みの現場 政府が方針案 徹夜で働く留学生…就労制限超が常態化

6/6(水) 11:05配信

西日本新聞

 政府が5日公表した骨太方針案は、外国人労働者の受け入れ拡大を盛り込んだ。九州でも多くの外国人が人手不足の深刻な分野を支えており、技能実習生や留学生アルバイトの現場には、なお課題も多い。

⇒【画像】政府試算 外国人労働者の受け入れ数

 昨年11月に技能実習に加わった介護職種。宮崎県延岡市の「メープルウェルフェアーサービス」が今夏、中国人女性2人を実習生として受け入れることになった。介護の認定では全国第1号となる。

 メープル社によると、2人は中国・遼寧省の介護施設で勤務した経験がある。入国後、受け入れ窓口となる監理団体の研修を経て、8月からグループホームなどで働く予定だ。小野真介社長(39)は「日本式介護の技術移転を図るため、2人には核となってほしい」と期待を込める。

介護実習生、要件厳しく増えず

 ただ、制度開始から7カ月を経ても、認定は2人だけ。厚生労働省によると、サービスの安全を確保するため、入国要件に日本語能力試験N4の合格を課しており、母国の研修に時間がかかっているという。

 福岡県内の監理団体幹部は「日本語の習得が難しい上、介護の賃金水準は安く、希望者が集まらない。送り出し側の実情も考えなければ、労働力不足の解消につながらない」と話す。

 今回の骨太方針案は、実習生が入国1年後の日本語能力の要件を満たさなくても、引き続き在留できる仕組みの検討を盛り込んだ。

 骨太方針案は留学生の卒業後の日本での就職促進も明記。ただ、既に貴重な労働力となっている「出稼ぎ留学生」の対応には触れず、「週28時間以内」の就労制限などにも課題を残す。

徹夜で働く留学生

 5月上旬、福岡市の弁当工場では、200人近い留学生が徹夜で働いていた。留学生はあっせん会社の手数料を取られ、日本人より時給は300円低い。それでも留学生の一人は「バイトを掛け持ちして月25万円稼いでいる」と明かした。

 母国の年収の数倍から10倍以上となる留学費を借金して来日し、仕事に明け暮れる「出稼ぎ留学生」。日本社会も労働力として彼らを求める側面がある。

コンビニ「日本の若者の応募はほぼゼロ」

 同市内で複数のコンビニを営む男性は最近、アルバイト情報誌に求人広告を出すのをやめた。「30万円近く広告費をかけても日本の若者の応募はほぼゼロ。留学生同士の紹介が効率的」という。男性のコンビニは従業員の8割がネパール、ベトナムの留学生だ。

 男性は「就労制限厳守をやかましく言うと、留学生は他のバイト先に逃げてしまう。政府は、途上国の若者が働きながら学べる仕組みの整備も急いでほしい」と訴えた。

=2018/06/06付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:6/6(水) 17:48
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