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「ホワイトタイガー今後は飼いません」動物園が異例の宣言 スタッフの覚悟に「現実を考えさせられる」

6/8(金) 7:00配信

withnews

 「今後、ホワイトタイガーは、飼育しません」。福岡県の動物園にある看板が、ネット上で大きな反響を呼んでいます。製作の背景には、人間の都合に振り回される動物について知ってほしいという、スタッフたちの強い思いと覚悟がありました。(withnews編集部・神戸郁人)

【画像】「ホワイトタイガー今後は飼いません」SNSで反響の看板はこちら。現実を生々しく伝えています

近親交配繰り返す

 看板は、福岡県大牟田市の「大牟田市動物園」が作ったものです。今年2月、メスのホワイトタイガー「ホワイティ」の飼育舎前に設置されました。

 2枚組みの板には、ホワイトタイガーの出生にまつわる説明が、イラストや写真付きで載っています。

 たとえば、「ホワイトタイガーはみんな親戚!?」と題された解説コーナー。トラを見て「珍しい」「白くてかっこいい」と喜ぶ人たちに、飼育員が「人間が親子や兄弟間で交配させている」「持病があったり短命だったりする個体もいる」と語りかけます。

 この他、密猟などにより、トラが絶滅の危機にひんしているという解説文も掲載。最後は「今後ホワイトタイガーを飼育することはありません」と結んでいます。

 今月3日、看板の写真がツイッター上に投稿されると、「動物が置かれた現実を考えさせられる」「好きだけどもう増やさないで」などのコメントが殺到。3万件以上リツイートされ、「こういう姿勢は大事にしてほしい」と評価する声もありました。

正しい情報と事実伝えたい

 「正しい情報と、事実をしっかり伝えないといけない。そう考えたことが、製作のきっかけです」。大牟田市動物園で、トラやライオンの飼育を担当する斉藤礼(あや)さん(23)はそう語ります。

 ホワイトタイガーは1950年代、インド北東部のベンガル地方で見つかった「ベンガルトラ」の白変種とされています。ホワイトタイガーを公開している東武動物公園(埼玉県宮代町)によると、国内の動物園では、約40頭が飼育下にあります(2016年現在)。

 大牟田市動物園のホワイティは人気抜群です。県外から見に訪れるファンがいる一方、好奇の目を向けられることも多く、生態にまで関心を寄せる人はまれだといいます。

 「お客さんから『見ると幸せになれるって本当ですか?』と言われたこともあります。園として、ホワイトタイガーについて積極的に説明してこなかったことも原因かもしれません」

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最終更新:6/8(金) 12:07
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