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極東最大級 米軍岩国基地に入ってみた(1) 基地受け入れを考える(新聞うずみ火)

6/8(金) 13:20配信

アジアプレス・ネットワーク

◆ 年に一度の「フレンドシップデー」

こどもの日の5月5日、米軍岩国基地が年に1度、一般公開される「フレンドシップデー」をたずねた。1973年から始まり、今年で42回目。ここ数年、来場者は岩国市の人口(13万2000人)を大きく上回っている。(新聞うずみ火・矢野 宏、栗原佳子)

今年は米最新鋭ステルス戦闘機F35Bによるアジア初の航空ショーもあり、昨年より5000人多い21万5000人が来場した。

米軍厚木基地(神奈川県)の空母艦載機が岩国への移転を完了して初めての一般公開とあり、地元の市民グループ「瀬戸内海の静かな環境を守るネットワーク」(瀬戸内ネット)の岩国基地フィールドワークに参加した。

JR岩国駅から海沿いに位置する基地まで2キロ。午前10時に徒歩で出発したが長蛇の列に巻き込まれ、ゲートをくぐるまでに1時間半かかる。

「開門は午前7時ですが、朝の5時には100人ぐらいがもう並んでいました」と地元紙記者が教えてくれた。広島や関西圏からのバスツアーが多い。

岩国基地は本土唯一の米海兵隊基地。海上自衛隊も共同使用している。太平洋戦争終結までは旧日本軍の航空基地だった。

厚木基地から米海軍の空母艦載機が移転する計画は2005年10月の日米安全保障協議委員会の中間報告に盛り込まれた。

◆ 共存となえ、拡大

06年3月、艦載機移転の賛否を問う岩国市の住民投票が行われ、「受け入れに反対」が9割近くを占めた。4月の市長選でも、受け入れ反対の井原勝介氏が当選したが、日米両政府は移転に最終合意。反対を訴える岩国市に対し、当時の防衛施設庁は建設中だった市役所庁舎建設のための補助金カットを通告してきた。市庁舎建設への補助金は、沖縄の負担軽減のため空中給油機を受け入れることへの見返りだった。

「国という大きな力に小さな岩国は押しつぶされる」
井原氏は民意を問うため、08年2月に市長を辞職して出直し市長選にのぞんだが、移転容認候補に敗れた。

「基地と共存」をうたう新市長誕生で、政府は一転、補助金を満額支給。米軍再編交付金の支給も始めた。
10年には住民の悲願だった滑走路沖合移設工事が完了。総面積は1.4倍に拡張され、甲子園200個分の広さになった。それが米軍再編と重なり、基地強化に利用されていく。

14年8月、沖縄・普天間基地から空中給油機15機が移転。昨年1月にはF35Bがアメリカ以外で初めて配備され、今年3月末までに厚木基地から空母艦載機61機の移転が完了する。岩国基地に常駐する米軍機は約120機。沖縄の嘉手納基地を上回り、極東で最大級の航空基地となった。(つづく)