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「サバに徹底的にとがる!」サバ業界を引っ張る『革命児』 成功の秘策と狙う漁業革新

6/9(土) 10:31配信

関西テレビ

斬新なアイデアで、オープンからわずか4年で叩き出した売り上げは7億2000万円!

日本の“サバビジネス”を引っ張る業界の革命児が大阪にいました。

サバのピンチを救うために彼が繰り出した秘策とは…?

≪サバ缶生産量ついにツナ缶超える≫

今、日本人の食卓に欠かせないサバが空前の大ブームになっています。

サバ缶の生産量は5年間で1.3倍を超え、“缶詰界の王者”ツナ缶を上回りました。

サバ缶を買いに来た女性客:
「1週間に3回くらい食べます。旦那さんの一品に、マヨネーズかけたりして食べてるらしいです」

別の女性客:
「(子供が)骨があると食べないので、サバ缶だと柔らかく煮込んであるので」

≪急拡大!超人気サバ料理専門店≫

取材班は今最も勢いのあるサバ専門の飲食店へ。大阪・梅田の、その名も“SABAR”!

なんとメニューがすべてサバで、新鮮な“姿造り”に、ジューシーな“大とろさばの塩焼き”、デザートのフロマージュにまで“サバのオイル”を使っています。

男性客:
「メニューを見たときにビックリしたんですけど、頼んで全部食べてみたらどれもおいしかったんで、アリかな」

女性客:
「味を色々楽しめるから、サバだけでも食べられます。」

そんなお客さんが舌鼓を打っている店内で食事をする男性。SABARの社長・右田孝宣さん(43)です。

右田社長:
「週4回くらいは自分の店でご飯食べてますね。外食、夜の会食は自分の店でって決めてるんです」

Q.毎日サバを食べて飽きないですか?

右田社長:
「飽きるモードに入っちゃったら多分この仕事はできないので。『飽きる』っていうワードは僕の中にないです」

もともと、夫婦2人でサバ寿司の配達をしていた右田さん。「もっとサバの魅力を広めたい」と、4年前に大阪市内でSABARをオープンしました。

売り上げはこの4年間で、なんと5倍の7億2000万円に!大阪を中心に、全国で18店舗を展開し、海外にも出店を果たしました。

成功の秘密は「サバオンリー」であること。

一般的には、仕入れた食材の5%が余ると言われていますが、SABARでは、すべての食材がサバのため、使い回すことで廃棄率を1%以下に抑えられるのです。

そして、店内にもヒットの秘密が…。

天井にあしらわれたサバの模様は38(サバ)匹分。箸にもサバのマークが入り、椅子の背もたれもサバの形です。

そして、メニューは38種類、席の数も38席、さらに開店時間と閉店時間は一部店舗を除いて“いいサバ”の語呂合わせで“11時38分”と、とことんサバ尽くしです!

右田社長:
「サバに徹底的にとがることによって、サバをこよなく愛する方や、その周辺の方がそこに足を運ぶっていう。サバをやっているところが他にないので、徹底的にやるほうが優位に立てるというか、分かりやすいんです」

サバにこだわることによって、他の飲食店との差別化を図る狙いがあるんです。

≪サバのピンチを救え!革命児の秘策≫

しかし、右田さんは日本のサバが食卓から消えるかもしれない…という危機感を持っています。

右田社長:
「もともとは『とろさば』っていう大きなサバを僕らは使ってたんですね。これが3年前くらいから急に獲れなくなってきました」

サバの名産地・福井県小浜市。

かつて、この地から京都へサバを運んだ道は『鯖街道』として知られ、日本遺産にも登録されています。

しかし、年間3580トンあった小浜市のサバ水揚げ量が、40年の間に、乱獲などで1トン以下にまで減少。全国的にもサバが獲れる量は減り続けています。

日本の食文化“サバ”を守りたい…。右田社長が考えたのが、自分たちでサバを養殖することでした。

日本では、「天然モノの魚」が人気なため、あまり養殖が盛んではありません。また、エサ代も高額で、利益をあげることが難しいのです。そこで右田社長が目をつけたのが、何やらドロッとした液体…。

右田社長:
「これは酒かすですね。酒かすを溶かしたやつです」

『鯖街道』とゆかりの深い京都の酒蔵と提携し、価格が安く、栄養価の高い酒かすをエサに混ぜることで、高額な費用をかけずにサバを育てることに成功しました。

酒かすで育てたサバ、その名も“よっぱらいサバ”です!

右田社長:
「鯖街道の出口である京都でお酒をつくって、そこで出た酒かすを、また鯖街道に戻して。それでひとつのストーリーが出来るなと思って」

“特別なサバ”として売り出すことで、SABARの看板商品のひとつになりました。

今後は、小さ過ぎる、見た目が悪いなどの理由で捨てられていた魚をエサにし、養殖費用をさらに安くする取り組みも進められています。

≪イノベーションで日本の漁業を変えたい≫

また、エサやりには最新技術が!

福井県小浜市で漁業を営む、漁師歴44年の浜家忠澄さん(62)。操っているのは“iPad”です。

これまでの養殖は、“漁師の勘や経験”を頼りに行われてきました。しかし、右田社長が先頭に立って、エサの量や魚の状態をデータ化。福井県立大学などと協力して最も効率のよいエサの量やタイミングを研究しているのです。

漁師・浜家さん:
「僕がもしやれなくなっても『今日はエサをやろうか』とか『今日は水温が高いからエサを控えたほうがいいか』とか、データを見るだけで、養殖を次の方にバトンタッチできるんです」

後継者不足などで漁業に携わる人は減り続け、今では小浜市でピーク時の7割以下になっています。右田社長は、作業を効率的にすることで、漁業の現場に人を呼び戻そうと考えています。

右田社長:
「漁業って課題だらけなんですよ。僕らは『エサを運んで、あげる』っていう作業をやめさせようと思っていて、今後はドローン飛ばしてエサをドローンからあげるということも考えています」

小浜市での養殖を成功させることが、日本全体の漁業を活気づけることにつながる…そう信じています。

右田社長:
「僕がやりたいのは漁業イノベーションを起こしたいんですよ。日本の漁業を変えたい。魚に関わる全ての人がハッピーになっていけるように、漁業者も作ってハッピー、食べる方も食べてハッピー、そういう未来をつくりたいですね」


(関西テレビ6月5日放送『報道ランナー』内「なるほど!ちまたのケーザイ学」より)

関西テレビ放送

最終更新:6/9(土) 10:31
関西テレビ