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踏切ではクルマの窓を開けないとダメ? 道交法には規定なし それでも教わるワケは

6/9(土) 11:11配信

乗りものニュース

窓を開けないと試験では減点

 運転免許の教習では、踏切で一時停止した際、窓を開けたうえで左右を確認するように教わります。

【写真】けっこう多い? 遮断機も警報器もない踏切

 しかし、多くの踏切では遮断機と警報器がついており、列車が近づけば遮断機が下がりカンカンと音が鳴ります。東京都世田谷区の自動車教習所、フジドライビングスクールの田中さんは、「現実には、窓を開ける人は少ないでしょう。しかし、教習や試験の際にこれを実践しないと減点です。実際に、これを怠ったため本試験に落ちた人もいます」と話します。

 そもそも、道路交通法で踏切の通過方法を定めた第33条には、「踏切の直前で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない」とあります。安全確認については義務付けられているものの、窓を開けることについては言及されていません。それでもなぜ教習では窓を開けるように教わるのでしょうか。

 田中さんによると、このようなルールができたのは昭和30年代だといいます。「いまでも地方では、遮断機も警報器もない踏切がありますが、当時はもっと多かったかもしれません。当時はMT車ですから、踏切内でエンストすることもあります。列車が来ないことを耳で確かめたうえで、一気にわたる必要があったのです。いまはそのような踏切は少なくなっているかもしれませんが、交通法規は全国を網羅しないといけないので残っているのでしょう」と話します。

 遮断機も警報器もない踏切(第四種踏切)は、確かに都会ではあまり見かけないかもしれませんが、国土交通省の資料によると、2017年3月末現在で全国に2759か所にあるそうです。

窓を開けるだけでなく、「耳に手を添えて音を聞く」?

 道路交通法には規定がない踏切での「窓開け」ですが、フジドライビングスクールの田中によると、道路交通法の内容に基づき公安委員会が作成した「交通の方法に関する教則」には記載されており、教習においてもこれを手本にしているといいます。

 そこには、「踏切を通過しようとするときは、その直前(中略)で一時停止をし、窓を開けるなどして自分の目と耳で左右の安全を確かめなければなりません」「警報機が鳴つていないときや、遮断機が降りていないときでも、機械が故障している場合がありますから、必ず安全を確かめてから渡るようにしましよう」、そして、「エンストを防止するため、変速しないで、発進したときの低速ギアのまま一気に通過しましよう」とあります。

「都会では雑音が多いですが、地方ではシーンとしていますので、列車が近づいてくる音はけっこう遠くからでも聞こえます」と話すのは、岩手県奥州市にある江刺自動車学校の担当者です。同校では、踏切の手前においては、耳の下の位置まで窓を開けるように教えているそうです。

 ちなみに、田中さんは各地で教習を受けた人の再講習を行っていますが、受講生のなかには「踏切では窓を開けたうえで、耳に手を添えて音を聞きなさいと(前の教習所で)習った」という人がいるそうです。田中さんによると、そこまでする必要はなく、その地方あるいは教習所独自の内容とのこと。江刺自動車学校の担当者も、「特段そのように教えてはいません」といいますが、「自然とそのようなモーションをしてしまうのか、確かに耳に手を添える生徒もいますね」と話します。

乗りものニュース編集部