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今市事件 8月3日判決 東京高裁

6/9(土) 7:30配信

下野新聞SOON

 2005年12月、日光市(旧今市市)大沢小1年だった吉田有希(よしだゆき)ちゃん=当時(7)=が殺害された今市事件の控訴審第8回公判が8日、東京高裁(藤井敏明(ふじいとしあき)裁判長)で開かれた。総括的な弁論が行われ、弁護団は被告の「自白」と殺害行為や現場が整合せず「自白調書には信用性がない」と指摘。状況証拠からも犯人とはいえないと無罪を主張した。検察側は弁護団の見解を非科学的と批判し「被告が犯人であることは明らか」と控訴棄却を求めた。控訴審は結審し、判決は8月3日に言い渡される。

 殺人罪に問われたのは鹿沼市西沢町、無職勝又拓哉(かつまたたくや)被告(36)。一審宇都宮地裁の裁判員裁判で無期懲役判決を受け控訴中。

 弁護団は、女児の胸の10カ所の刺し傷のうち三つの向きが異なる点などを挙げ「自白のように6~7秒で刺すのは不可能」と指摘。現場にあるはずの大量の血痕がない点から「別の場所で寝かされて刺されたと考えるのが合理的」とし「自白調書の信用性は全くない」と強調した。

 また女児に付着した粘着テープや女児の遺体を拭ったガーゼなどから、核DNA型や、微量でも検出できるミトコンドリアDNA型のいずれも「被告の型は出ていない」とし「出所不明の型があり、真犯人の可能性がある」と訴えた。

 検察側は遺体の傷の向きは判別困難などとして「6~7秒で10個の刺創を付けるのは何ら不可能ではない」と反論。弁護側証人の法医学者の見解を「こじつけに満ちた根拠のない断定で信用できない」とした。

 DNA型鑑定については、粘着テープの指紋採取時に不特定多数の人の型の混入があったと説明。ミトコンドリアDNA型は必ず付着するものではなく、出所不明の型が検出されているのは事件前に学校などで女児に付いた可能性もあるとし「犯人の存在を示すものではない」と否定した。

 弁護団と検察側は殺害日時、場所を拡大した追加の訴因変更についても、主張と反論を展開した。

 高裁は昨年10月の初公判で殺害日時場所や自白の信用性など六つの争点を設定。法医学者や警察官ら7人の証人尋問や被告人質問を行った。

最終更新:6/20(水) 9:45
下野新聞SOON