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文在寅政権、対北経済協力前のめり 制裁抵…資金確保に課題

6/10(日) 7:55配信

産経新聞

 「南北・米朝関係が改善し朝鮮半島に平和が定着すれば経済に大変化が訪れる。南北経済協力の本格化に備え財政の役割、準備検討の必要がある」

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は先月31日の国家財政戦略会議でこう訴えた。4月の南北首脳会談で合意した「板門店宣言」には(2007年の)南北首脳宣言で合意した事業の推進が盛り込まれた。南北首脳宣言には、(1)黄海上の南北境界海域での「西海平和協力特別地帯」の設置(2)開城(ケソン)工業団地の第2段階の開発と鉄道貨物輸送、通関などの制度完備(3)南北間の鉄道、高速道路の改補修(4)北朝鮮での造船所建設-が含まれている。

 うち実現したのは南北経済協力事業の開城工業団地の稼働だけだが、16年2月に朴槿恵(パク・クネ)前政権が北朝鮮の核実験への制裁措置として稼働を中断した。

 韓国統一省によると、開城工業団地の総生産額は05~15年で32億3300万ドル(約3550億円)で、15年は過去最高の5億6330万ドル。稼働中断による北朝鮮への打撃は大きい。

 「最も着手しやすい経済協力は開城工業団地の再開」(財界筋)で、文在寅政権も前向きだ。また、08年以来中断している金剛山観光も物理的に再開可能だ。問題は、韓国も加わる国連安全保障理事会などの対北制裁に抵触することだ。文政権もそれを十分理解している。また、対北制裁が解除されても問題は資金だ。韓国は対北支援に南北協力基金などから出資してきたが、韓国経済自体が悪い中、「そんな余裕があるのか」との政府批判も根強い。 (ソウル 名村隆寛)

最終更新:6/10(日) 7:55
産経新聞