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G7、反保護主義を維持=首脳宣言、トランプ氏は認めず―サミット閉幕

6/10(日) 6:21配信

時事通信

 【シャルルボワ(カナダ東部)時事】先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)は9日午後(日本時間10日早朝)、2日間の討議を総括した首脳宣言を採択し、閉幕した。

G7の地位低下鮮明に

 焦点の通商問題について、宣言は「ルールに基づく貿易」の重要性を強調し、「保護主義と引き続き闘う」と明記。北朝鮮に全ての大量破壊兵器の「完全、検証可能かつ不可逆的な廃棄(CVID)」を求めた。だが、トランプ米大統領は閉幕後に、首脳宣言を承認しないよう米代表団に指示。米国と日欧加6カ国の亀裂が際立つ異例の事態となった。

 安倍晋三首相は内外記者会見で「G7が自由で公正な、ルールに基づく貿易体制の発展へ努力していくことで合意した」と説明した。

 貿易問題をめぐっては、米国による鉄鋼・アルミニウムの輸入制限措置に対し、欧州各国やカナダが反発。G7首脳は9日、首脳宣言の文言調整をぎりぎりまで続け、世界経済の安定へG7の協調を優先することとした。

 首脳宣言は「自由、公平かつ互恵的な貿易・投資は成長と雇用創出の主要な原動力である」と強調。世界貿易機関(WTO)をより公平な組織に近代化することも求めた。

 安倍首相は会見で、自由貿易体制の維持がG7の目標と位置付けた上で、「米国もG7の一員として、この価値観をわれわれと共有している」と指摘。また、「市場をゆがめる不公正な貿易・投資慣行に、G7として断固対抗することで一致した」と説明した。

 しかし、トランプ氏はツイッターで、議長国カナダのトルドー首相の会見内容に不満を示した上で、「米市場に大量に流入する自動車への関税を検討しており、コミュニケを承認しないよう指示した」と明らかにした。

 北朝鮮問題について、G7首脳は史上初となる米朝首脳会談の成功に向けて、トランプ氏を後押ししていくことを確認した。宣言は、北朝鮮に核兵器や弾道ミサイルなどの「CVID」を要求。国連安全保障理事会決議の完全な履行を含め、北朝鮮に対する強力な圧力を維持すると明記した。安倍首相が訴えた拉致問題の早急な解決も盛り込まれた。

 トランプ氏が提案したロシアのサミット復帰は宣言に盛り込まれなかった。首脳討議でも、ロシア復帰には慎重意見が出ていた。

 宣言では中国を念頭に、東・南シナ海の現状への懸念も表明された。 

最終更新:6/11(月) 1:31
時事通信

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