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米朝首脳会談:金委員長専用機“エアフォース・ウン”は? 謎の旅客機飛行ルート

6/10(日) 8:40配信

FNN PRIME

深夜に謎の平壌ーシンガポール便情報

米朝首脳会談を控えた6月9日、奇妙な民間機の情報が世界を駆け巡った。民間機には空中衝突を防止するため、位置情報を電波で知らせ合う装置の搭載が、ICAO(国際民間航空機関)によって事実上、義務付けられているが、その電波を受信することで飛行中の民間機の位置を表示するインターネットサイトがある。

【画像】世界を駆け巡った“奇妙な旅客機の飛行ルート”とは…

万が一の民間機事故の場合、その飛行機が事故直前までどこを飛んでいたのかがおおよそ分かる。そのサイトの一つが、8日深夜に平壌を離陸し、9日朝にシンガポールに着陸した旅客機の動きを示したのだ。表示された情報によれば、この旅客機は北朝鮮のものではない。別の国の国策企業のものだ。

平壌国際空港(順安空港)を離陸した、この旅客機は、西北西に飛行し、中国・遼寧省の上空に入り、北京の北を通って南下。中国内陸部を通って、海南島上空を通って南下。ベトナムの沿岸部を通過して、シンガポールに到着したというのだ。

東シナ海や渤海、太平洋を避け、南シナ海上空で、どうしても洋上を飛ばなければならない場合も、出来るだけ陸地が近い飛行ルートをとる。しかも、その大半が中国領空だ。この情報の真偽は不明だが、本当なら、いったい誰を運んだのか。そしてなぜ、こんなコースを飛んだのか、気になるところだ。米軍や豪軍の軍用機が、ほとんど近づけないコースだからだ。

逆に、平壌から東シナ海や太平洋を通って、シンガポールに向かう飛行ルートを北朝鮮の要人が使ったなら、どうなっただろうか。その要人が、本国と行う機内からの通信は、沖縄・嘉手納基地を拠点とする米軍の通信傍受用電子偵察機、リベットジョイントやアリーズIIの電波傍受の標的になりかねないだろう。

まして、その要人が金正恩委員長ならなおさらだ。周波数帯はもとより、通信手段、相互の確認手段等、気になることはたくさんある。

一般論だが、一国の首脳が、本国から遠いところに、長時間飛行せざるをえない場合を視野に、各国は、首脳が移動に使用する航空機にかなりの工夫をしている。その一つは、通信の機密を確保すること。

6月8日、9日、カナダ・ケベック州で開かれたG7シャルルボワ・サミットで、英国のメア首相は、機体に、堂々と「Royal Air Force」とペイントされた英空軍のA330MRTTボイジャーKC.2VVIP型機を使用した。これは、A330MRTTボイジャーKC.2空中給油機を「Very VIP=VVIP」用の仕様にしたもの。

機首の左右に小さな出っ張りがあるが航空軍事評論家の石川潤一氏によれば、「AAQ-24(V) LAIRCM(大型機赤外線対抗)システムを構成するAAR-54(V) PMAWS」とのこと。つまり、ミサイルの接近を知らせる警報装置だ。

もともと、軍用機なので、防御システムや軍用通信装置や軍用データリンクの装置は、そもそも装備されていただろう。英戦闘機の護衛を受ける場合も、VVIPそのものが、空中給油機なら、長距離護衛にも適しているのかもしれない。

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最終更新:6/10(日) 8:59
FNN PRIME