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中間貯蔵の候補地、青森は「対象外ではない」 関電社長

6/11(月) 13:03配信

朝日新聞デジタル

 関西電力の岩根茂樹社長が、朝日新聞のインタビュー取材に応じた。福井県に構える原発の使用済み核燃料を福井県外に搬出する候補地について「あらゆる可能性はある」と発言。原発関連施設が集中する青森県について「(候補地の)対象外ということはない」と話した。やりとりは次の通り。

【写真】取材に答える関西電力の岩根茂樹社長=2018年6月7日、大阪市北区

 ――関電が、福井県に構えている三つの原発で使い終わった核燃料を福井県外に運び出すことを目的に、青森県むつ市の施設に出資する。そんな報道がありました。

 「一切そういう事実はない。どうしてそういう情報が出たのかも全くわからない」

 ――この施設をつくった東京電力ホールディングスや日本原子力発電と話し合っている事実は。

 「ありません」

 ――国とはどうですか。

 「国とは中間貯蔵施設の支援や政策の位置づけを話しているが、具体的な地点の話はしていません」

 ――むつ市長は「地元の理解が大前提だ」と反発しています。

 「(報道が)事実ではないのでコメントしようがない。一般論として、中間貯蔵施設を立地する時に、地元のご理解がなければ進まないのは当然だ。我々の立地活動もそれが大前提だ」

 ――むつ市に説明に行く考えはありませんか。

 「(報道が)事実ではないので、我々が行くつもりはない」

 ――再処理工場がある青森県内は有力な候補地でしょうか。

 「中間貯蔵施設では、あらゆる可能性はある、と申し上げている。(青森県が)対象外ということはないが、あくまで地元のご理解を頂いて、適地があることが条件だ」

 ――年内に候補地を示すと約束しています。

 「実現のために、私が先頭となって最大限の努力をしている。交渉状況について現時点で申し上げることはない」

 ――東電の東通原発(青森県東通村)の建設に、出資などで加わる考えは?

 「東電には原子力事業の再編のお考えがあり、その延長線上に東通原発の共同事業の話が出るのであれば、我々とは考え方が違う。再編ありきで入ると、協議は難しい。我々の原発はPWR(加圧水型炉)で、東通はBWR(沸騰水型炉)だ。我々はPWRをしっかりやりたい。BWRでご一緒にだと、違和感というか、違うと思う」

 ――安全対策工事中の高浜原発1、2号機(福井県高浜町)と美浜原発3号機(同県美浜町)が再稼働すると、発電量の4割近くが原発に。関電にとっては、長期的にどの程度の原発比率が理想なのですか。

 「全然わかりません。国がどう考えるか、技術開発がどの程度進むかもある。ただ、(政府が約束した)2050年までに温室効果ガスの排出を8割減らすとなると、相当、脱炭素化をエネルギー全体で進めないといけない。再生可能エネルギーと原発はある程度比率をもってやっていかないと(政府目標は)とてもできない。50年も一定の原発比率は必要という方向性で議論されると思う」

 ――再エネの導入目標が、大阪ガスや東京電力よりも少ないようです。

 「脱炭素化の方向が出されているので、再エネの可能性と課題を見極めるためにも、我々が担っていく必要がある。どう加速するかを含めて議論している」

 ――昨年に続く電気料金の値下げを発表しました。

 「過去2回の値上げ前の水準に戻り、他電力と比較してもトップレベルの料金水準になった。お客様の反応も非常によい。これまで新電力の攻勢を押しとどめてきたが、我々がアクセルを踏んで前に出られるという手応えを感じている」

 ――大阪ガスも対抗値下げを発表しました。

 「電気とガスとのパック料金では、使用量に関わらず当社が安い。オール電化も十分に競争力がある」

 ――割引サービスなどさらなる対策もありますか。

 「我々がお客様に選んでもらえるのかという観点から検討はしていきたい」

 「ガスの契約は足元で約55万件。昨年3月まで月平均3万件弱の新規契約が、この3カ月は月平均5万件に増えている。キャンペーンなどでこの勢いを持続させ、19年度の早い時点で80万件に伸ばしたい」

 ――販売電力量は7年連続で減少。反転のめどは?

 「(原発の再稼働で)競争力ある電源がこれだけできた。法人向けや産業向けの電力販売は4月以降、約50カ月ぶりにプラスに転じてきた。右肩上がりに持っていけるように最大限努力したい」(聞き手・西尾邦明、伊沢友之)

朝日新聞社