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<北朝鮮内部>不人気だった金正恩氏の評価がV字回復 なぜ?

6/11(月) 5:10配信

アジアプレス・ネットワーク

北朝鮮国内で不人気だった金正恩氏に対する評価が今年に入り一変している。中国、韓国の首脳との立て続けの会談を経て、経済回復や変化を期待する人が増えているのだ。12日のトランプ米大統領との会談を前に、金正恩氏の評判について調べた。(カン・ジウォン)

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庶民から幹部まで、北朝鮮の人々の金正恩氏に対する評価は芳しくなかった。若造、国一番のデブ、叔父の張成沢を殺した不道徳者、金一族のことしか考えない落第指導者…。このように、金正恩氏を悪し様に罵る人も多い。

執政した6年間、核・ミサイル開発以外に実績らしきものはなく、むしろ強い制裁を科されて経済は窮し、金正恩政権に対する住民の不満の声は高まる一方だった。その評価が一変したのは、去る4月27日の文在寅大統領との首脳会談からである。北部の咸鏡北道に住む取材協力者は次のように分析する。

「日頃から金正恩氏の三代世襲に批判的な意見を口にする人たちでさえ、中国、韓国に続いてトランプ米大統領と会談を行うことを歓迎している。制裁で経済が非常に悪くなったが、金正恩なりに人民の生活苦を心配し外交努力をしていると見えるのだろう。金正恩が3月と5月にたて続けて中国の習近平主席を訪ねたのは、経済制裁を緩めてくださいと頼むためだったと考える住民も多く、有り難いと思っている人さえいる」

◆金正恩氏の卓越した外交術と宣伝

北朝鮮当局も、外交を金正恩氏の得点にしようと宣伝を活発化させている。咸鏡北道のある国営工場で最近行われた朝会では、党幹部が「金正恩元帥様の卓越した外交術によって、中国との関係は急発展しており、貿易もすぐに再開されるだろう」と、情勢を説明したと、6月8日に取材協力者が伝えてきた。

巨大鉄鉱山がある茂山(ムサン)郡は、制裁で鉄鉱石輸出が全面ストップした影響で、労働者の給料と配給がストップ。職場放棄する人が続出するなど、郡全体が深刻な経済危機にあるが、ここでも金正恩氏の活発な対中外交の成果で、まもなく制裁は解かれると当局は宣伝している。

「連続した対外活動によって、金正恩は内部結束に多くの得点を得たのではないか。昨年まで核・ミサイル実験ばかりして不平不満の声が多かったのに、今では、金正恩が統一に向かう、経済制裁の緩和のために動いてくれると、期待する声ばかりが聞こえる」

両江道の取材協力者は、このように述べた。