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観音像ドーン!長浜の異色アンテナショップ、上野に作った「深い理由」地味に人気「有名でないが心に響く」

6/15(金) 7:00配信

withnews

 上野といえば、西郷さんでも、パンダのシャンシャンでも……ありません! 知る人ぞ知る穴場スポット、それは1体だけ展示された「ある観音さま」です。遠く滋賀県長浜市から「定期的」に展示替えもされています。実はこれ、アンテナショップなんです。1体の観音さまで地元をアピールする異色の「びわ湖長浜 KANNON HOUSE」とは何か? 観音像ドーン!の魅力を探ります。(朝日新聞大阪社会部記者・岡田匠)

【写真】本当に観音像1体だけドーン! 360度どこからでも見渡せる展示、長浜の異色アンテナショップ

大都会で拝む落ち着き

 上野公園の西郷隆盛像から徒歩1~2分。京成上野駅の目の前、10階建てのオフィスビル1階に観音ハウスはあります。広さ70平方メートルのフロアに、長浜産ヒノキを使った3.5メートル四方の観音堂が設けられています。

 5月、この中央のガラスケースに鎮座していたのは、高さ約1メートルの馬頭観音立像です。平安後期の作とされ、長浜市高月町の横山神社でまつられてきました。

 この観音さまは三つの顔を持っています。正面の温和な表情に対し、左右の顔は怒りに満ちています。普段は長浜市の「高月観音の里 歴史民俗資料館」にいる観音像を、遠く離れた大都会東京のけんそうのなかで拝むと、より一層、心が落ち着くような気がしてきます。

「有名ではないが心に響く」

 平日でも入館者は数十人。

 「京都や奈良の仏像のように有名ではないが、こんなに心に響く仏像があるなんて」

 初めて訪れた新宿区の主婦、遠藤ひろ子さん(70)は、穏やかな表情で語ります。

 「博物館のように何体も並んでいると慌ただしい。1体なら、じっくり拝むことができる」

 4回目という足立区の男性(67)は「地域の人たちが必死に守ってきた情熱が伝わってくる。次は、どんな素朴な観音さまが来るのかワクワクする」と話してくれました。

実は「観音の里」

 琵琶湖の北東にある長浜市には、平安時代から室町時代に作られた130体の観音像が伝わり、「観音の里」として知られます。

 もとは霊山・己高山(こだかみやま)(923メートル)の山岳信仰の修行者が彫ったのが始まりとされます。

 戦乱などで寺が廃れても村人が小さなお堂で「村の守り本尊」としてまつってきました。戦国時代には田んぼに埋めたり、川に沈めたりして守ってきました。

 しかし、過疎・高齢化が進み、次世代にどう伝えていくかが課題になっています。

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最終更新:6/15(金) 7:00
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