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専門家が除去工事をずさんと認定 「石綿の小片や小塊が残存」と中間報告

6/12(火) 12:12配信

アジアプレス・ネットワーク

◆「粗い仕事」と専門家が認定

大阪府堺市で2017年3~4月に実施されたアスベスト除去工事が不適正だった問題をめぐり6月7日、市に対して専門家による調査の中間報告で「粗い仕事」と工事がずさんだったことが指摘されていたことが明らかになった。(井部正之・アジアプレス)

【関連写真】知らぬうちに体蝕むアスベスト。危険を知らされず防じんマスクもしていない石綿工場の若い女性行員たち。笑顔が痛々しい。(9点)

表紙含め計2ページの中間報告は6月6日付け。調査したのは建築物石綿含有建材調査者協会(貴田晶子代表理事)。調査は5月27日午前、同協会に所属するアスベスト除去業、調査分析業である7人の国交省「建築物石綿含有建材調査者」資格保持者によって約2時間半にわたって実施された。現場の目視調査に加えて、検体を採取して分析もおこなった。

基本的には現地調査の翌27日に市が市議会に報告したように、横引きダクトの接続部分および煙突内部にアスベストの残存が見つかったとの内容だが、中間報告ではもう少し詳しく説明されている。

まず煙突内側の横引き煙道と煙突本体との接続部分に「煙突用断熱剤の小片や小塊が残存」しており、分析した結果、煙突断熱材に使用されたのと同じアモサイト(茶石綿)が57.8パーセント含有していた。

高さ5.3メートルの煙突内側には「筋状(縞状)に疑義物質が残っており」、分析でやはり茶石綿が8.49~20.1パーセント含まれていた。この筋状のものには「粉状物質が表面に付着」し、除去工事後に使用する「飛散防止剤の主成分である炭酸カルシウムであると思われる」という。また、粉状物質の内側には「わずかにアスベスト繊維(アモサイト)が目視でも確認された」と指摘している。

そして、それらの取り残しの存在から「細部の施工状況は“粗い仕事”であると判断される」とずさんな工事だったことを認めた。

煙突内に残存するアスベストには飛散防止剤が浸透し、空気中のアスベスト濃度測定を集じん排気装置の排気口出口および隣接する保育園の園庭で実施し、いずれも定量下限値未満(0.08本/リットル未満)だったことなどから、調査時に「周辺への影響はなかった」という。また現場は密閉されていることから「現在の煙突の残存アスベストによる周辺への影響は低い」との見解だ。

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