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犬猫の気持ちになって老い支度 明るく終活を考えるマンガ

6/12(火) 11:11配信

sippo

 犬や猫は人間の数倍の早さで年をとる。介護、お金、ペットロス……犬や猫の老後を考えておくのは、ペットと暮らす上で大切なことだ。なるべく先送りしたい重い問題を、マンガ家・卵山玉子さんが『ネコちゃんのイヌネコ終活塾』(WAVE出版)に明るく、わかりやすくまとめた。

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 本書は、1人暮らしの叔母が入院し、夫婦が犬を預かるシーンから始まる。叔母の急病に「何が起きるかわからないね」と話す夫婦に、人の言葉を話すペットの「ネコちゃん」が「ネコちゃんのほうが、寿命が短いからちゃんと準備しておいてね」とアドバイスする。

 ヒット作「ネコちゃんのスパルタおそうじ塾」に続くネコちゃんシリーズで、ユーモラスで愛らしいネコちゃんのキャラが、重たくなりがちなテーマをぐっと身近にしてくれる。

「ネコちゃんのイヌネコ終活塾」は、「ペットのシニアライフ」「病気と病院について」「ペットの保険」「いつかは闘病、介護」「葬儀や供養、どうする?」「飼い主になにかあったら」「亡くなったそのあとに」の7つの章からなる。どの章も具体的でわかりやすい。

「ペットのシニアライフ」の章では、ネコちゃんと飼い主夫妻が、老犬と老猫のいる家を訪ね、フードの内容や、住環境の工夫、トイレの置き方などを学ぶ。

「飼い主になにかあったら」の章では、ペットをどこに託すかなどを考える。家族や友達、保護団体や信託のほか、老犬・老猫ホームの紹介も。ホームは、“ペットの第二の家”を探すつもりで衛生的な場所を2軒以上見比べるべきで、そのホームが老犬ホーム協会に加入しているかどうかも目安になる……。

 印象的な言葉も多い。

「ぼくたちペットのすごさは老いてなおかわゆいところだよ」というネコちゃんの台詞や、「飼い主さんがペットを想って決断したことに間違いはないと思います」という看護師さんの台詞に、作り手の優しさがにじみ出ている。

暗くならずに考える

 どのような思いで本書を描いたのか、作者の卵山玉子さんに尋ねた。

「やらなきゃいけないとわかっているけど、目をそらしがちなペットの終活を、マンガ形式でなるべく暗くならず、可愛い動物が説明してくれる……、そんな本があればいいなと思って描きました」

 実家の猫を見送った経験があると聞いていますが、思い出すことがありますか?

「猫のシロさんとトラちゃんとの別れは、後悔がチクチクと残っています。楽しい記憶の方が多いけど、やっぱり『ごめん』と言ってしまいます……。でも、ペットの年齢に関係なく、いざという時に何をしてあげたいかを考えておくことで、ペットへの『ごめん』を減らせるんじゃないかなと思います。

 動物医療やペット保険の等も詳しく描かれています。「知ること」は大事なのですね。

「プロの方にお話を伺ううちに、漠然とした不安や恐怖が薄らいで、飼い主としてペットにやってあげたいことが具体的にイメージできるようになりました。終わりを意識すると、ペットを過ごす今がもっと大事になります。このマンガを描いている途中、何度も傍で寝ている猫を撫でにいきました」

 一方、編集担当の佐藤葉子さんは、こう話す。

「我が家にも今年3歳になった兄弟猫がいます。愛猫たちが老いた時、介護は?お金は?という漠然とした不安がありました。卵山さんも同じ不安があるということで、本書の企画がスタートしました。ペットの老いが迫っている方もそうでない方も、まずはあまり気負わずに読んでいただきたいですね」

 帯には「笑って終活!」とある。役に立って心に効く、画期的なマンガ本だ。

sippo(朝日新聞社)

最終更新:6/12(火) 11:11
sippo

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