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陸自の足「1/2tトラック」とは 「隊内で最もありふれた車両」はどんなクルマ?

6/12(火) 11:24配信

乗りものニュース

「ジープ」から「パジェロ」へ変身

 陸上自衛隊の、どこの部隊にもある車両といえば「1/2tトラック」が挙げられます。「トラック」という呼称ではありますが、ベース車両は三菱自動車におけるRV(あるいはオフロードSUV)の代名詞ともいえる「パジェロ」(2代目)です。

【写真】1/2tトラック(「パジェロ」)の運転席まわり

 1/2tトラックは、1973(昭和48)年に制式採用された「73式小型トラック」が元になっています。この73式小型トラック、汎用の小型トラックとして三菱「ジープ」のJ-24-A型と呼ばれる型式が採用されました。隊員たちからはそのまま「ジープ」と呼ばれ長年親しまれていたクルマです(編集部注:以下本記事で「ジープ」と記述する場合、この先代73式小型トラックを指します)。

 1996(平成8)年になると、当時の最新排ガス規制への対応や、事故の際の衝突安全性の向上を図る必要などがでてきました。また。操縦性や居住性の向上も求められていたことから、当時の防衛庁は新73式小型トラックとして「パジェロ」ベースの車両を採用することにしました(編集部注:以下本記事で「パジェロ」と記述する場合、この新型73式小型トラック=1/2tトラックを指します)。なお、「ジープ」のほうはその後、1998(平成10)年まで生産されましたが、2018年現在では陸自のごく一部の部隊を除き、そのほとんどが退役しているため、なかなか見ることができません。

 実は、この「ジープ」から「パジェロ」への転換には、ある思惑があったといわれています。将来的に、旧式化した「ジープ」はいずれ排ガス規制に適合しなくなるのが明らかでした。制式化された装備品を変更することは非常に複雑な手続きをともなうため、スムーズに新型への更新ができないと思われていました。このため、当時の防衛庁は、現行の「ジープ」を改造することにしたのです。しかし、改造コストが掛かりすぎ、なおかつ車体の大きさからも改造には限界がありました。そこで1996年、前年に東洋工機から社名を変更したパジェロ製造の、(現行型)73式小型トラックを採用することになったのです。

 この更新に際しては、あくまでも「73式小型トラック」の改造版である。とのことで、予算要求し、そのまま国会で承認されています。また当時の自衛隊上層部でも、「ジープ」を改良したら「パジェロ」になった、という認識だったそうです。2001(平成13)年には「パジェロ」の正式名称が「73式小型トラック」から現在の「1/2tトラック」へ変更されています。

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