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少年院でパソコンを習い、内面に良い変化が現れた少年たち 今時の子とわかる瞬間も

6/12(火) 10:41配信

BuzzFeed Japan

垣間見えた一面

文字入力を練習していく彼らの集中力はすごい。問題に手こずっても諦めることなく、進めていく。手が止まれば、育て上げネットの職員がすかさずサポートに入る。

ワードに「私は〇〇が好きです」とそれぞれ好きなお菓子や食べ物を書く時間には、若者らしい一面が垣間見えた。

「私はじゃがりこが好きです」「私はエッグタルトが好きです」「私はブタメンが好きです」。今時の子なんだな、と思える食べ物が画面に並ぶ。

講師として指導をする育て上げネットの職員、佐藤啓子さんは「スタート地点はみんな違うので、ゴール地点も違います。なので、どこまでできないといけない、と共通の目標を決めていないんです」と語る。

初回の講座の時点で、初心者からある程度できる少年までいる。また、出院の時期はバラバラなので、講座に出席し始めるタイミングも違う。

そのため、ゲーム感覚で学べるタイピングゲームソフトを使っている。ヘッドホンを通して解説が流れ、誰もがそれぞれのペースで学べるのだ。

エクセルを含め、本格的な内容を学んではいるものの、佐藤さんは「講座で全てを身につけるのではなく、社会に出てからパソコンに触れるきっかけになれば」と言う。

少年たちの思いとは

事実、少年たちは出院後にもパソコンの訓練を続けたい、とやる気を見せる。

6月の終わりに出院を控える少年(19)は、建設業で生かしたいと考える。

「まずはブラインドタッチができるようになりたいです。この先、IT技術が身につけば、建設業界で活躍できると思っています。これからも学んで、自分の武器にしたいんです」

また、17歳の少年も建設業で働くのが憧れだ。7月に出院を予定し、プライベートでパソコンを利用したいという。

「講座は、前回よりも早く打てるようになったり、知識上がったりするのがわかるので、おもしろいです。成長を実感できるし、先生が褒めてくれるので、やる気にもつながります」

データでわかる心理的な良い影響

驚くのが、一連の講座によって少年たちの心理的な変化が現れたことだ。

育て上げネットが、2016年末から1年間、86人の少年たちにアンケートを実施。さまざまな質問を「0(全くそう思わない)」から「9(非常によくそう思う)」の10段階で聞いた。

すると、「自分は勉強や仕事で必要なことを身につける力がある」との設問で、初回の回答結果の平均は約5だったが、3回目の講座では6.5近くに上がった。

さらに、「今の自分を信じることができる」という問いでは、初回に5.5に届かなかった平均が、3回目に6を超えたのだ。

佐藤さんは「講座を通して、何かをできるようになった、と成長を実感してもらいたいんです」と話しており、少年たちにその思いが伝わっているのがデータから読み解ける。

BuzzFeed Newsが「講座を通して、少年たちに対するイメージはどう変わりましたか」と尋ねると、佐藤さんは笑顔でこう返した。

「入所するまでの1人1人の背景を知りません。ただ、目の前にいる姿勢を見ていると、一般の若者と変わらない、と思いました。とても素直な子たちです」

「指導ではなく、応援の気持ちで来ています。少しでもできるようになった事実、集中していることを認めてあげ、これから自分の力で解決できるようになる手助けがしたいです」

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最終更新:6/12(火) 16:23
BuzzFeed Japan