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えっホントにこれだけ!?  “秘密合意”があるなら別だが、そうでなければ「論外」

6/12(火) 20:48配信

FNN PRIME

“歯切れ”が悪いトランプ大統領

・目標は、平和的な方法による、朝鮮半島の検証可能な非核化であることを一致して再確認した。

“秘密合意があるかも?”

・朝鮮民主主義人民共和国は、すべての核兵器及び既存の核計画を放棄すること、並びに核兵器不拡散条約 及びIAEA保障措置に早期に復帰することを約束した。

・アメリカ合衆国は、朝鮮半島において核兵器を有しないこと、及び、朝鮮民主主義人民共和国に対して核兵器又は通常兵器による攻撃又は侵略を行う意図を有しないことを確認した。

・朝鮮民主主義人民共和国及びアメリカ合衆国は、相互の主権を尊重すること、平和的に共存すること、及び二国間関係に関するそれぞれの政策に従って国交を正常化するための措置をとることを約束した。

 上記は、今回の米朝首脳会談の共同声明ではない。

トランプ政権が「単なる紙切れ」と批判してきた05年9月の六者協議共同声明の抜粋である。

「単なる紙切れ」より空疎な合意

今回の首脳会談の合意レベルはその「単なる紙切れ」より内容が空疎である。

しかし、12日夕方のシンガポールでの記者会見で、過去の「単なる紙切れ」合意との違いを問われたトランプ大統領は、「大統領が違う。いずれ(非核化を)成し遂げる。」と言い放った。

どこからその自信が湧き出てくるのか理解不能だ。

会見でトランプ大統領は「これは包括的な合意だ」とか「彼は非核化と関係正常化を成し遂げたいと思っている。」とか「すぐに確実になる」などと繰り返したが、歯切れは非常に悪かった。

署名式典では、非核化を「迅速に開始する。」と発言したが、会見では「金委員長はミサイルエンジンの燃焼テスト場を閉鎖すると追加で約束した。」以外に、具体的な話は無かった。

非核化に向けてのタイムテーブルついては言及さえなかった。肝心の査察に関しても文書には一言も無かった。

“非公開の秘密合意”はあるのか?

現時点ではっきりしているのは金正恩委員長にとっては「歴史的な成果」であることである。
祖父も父親も成し遂げられなかったアメリカ大統領との直接会談を成功させた以上、金正恩委員長の国内基盤はますます強まり一層磐石になることは間違い無い。
今頃、高笑いをしているかもしれない。

ただし、今回の合意内容は余りにも酷すぎる。
酷すぎる故に、もしかしたら“非公開の秘密合意”があるのかもしれないと勘ぐりたくなる。

北朝鮮側の内政事情に配慮して「今は秘密にしている具体的な合意」があるのかもしれないと勘ぐるのである。

いずれも内容には触れなかったが、トランプ大統領は会見で
「金委員長は帰国し次第、すぐに作業をする。」と言った。

韓国の文大統領に“今回合意の背後の詳細”を説明したとも言った。

これが、実は何らかの“秘密合意”が存在して、今は北側の国内根回しを待つことを意味するのかもしれないと深読みしたくなるのである。

これに一縷の望みを託したい。当たるも八卦の話になるのだが、そう願うものである。

二関吉郎 解説委員

最終更新:6/13(水) 6:12
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