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<活火山>桜島の降灰対策 避難やマニュアル作成 鹿児島市

6/13(水) 8:12配信

毎日新聞

 活火山がある熊本、宮崎、鹿児島の3県に先駆けて、鹿児島市が桜島の大量降灰対策に乗り出している。同市は今年3月、地域防災計画に初めて大量降灰対策を盛り込み、今月6日の図上演習には鹿児島県警や自衛隊など関係機関の約100人が参加した。今年度中に広域避難や火山灰除去などの対策マニュアルを作る。【菅野蘭】

 演習は桜島が大噴火し約20万人が避難する想定。市は1914年の「大正噴火」級の噴火があれば風向き次第で市街地に火山灰や軽石が約1メートル降り積もる恐れがあると推計しており、参加者は真剣な面持ちで噴火16時間後の動きを確認した。

 市は気象庁が桜島の噴火警戒レベルを5(避難)に引き上げた時点で避難指示を出すが、直後は混乱が予想される。演習では、住民避難▽火山灰除去▽ライフライン復旧--などの作業部会に分かれて課題を探った。

 「火山灰除去の作業員がどれほど参集できるかをどう把握するか」「除去作業は県や国などの道路管理者がそれぞれやるより、場所によって指揮系統をまとめた方がいい」。参加者からは指摘や提案が相次ぎ、大規模噴火時の対応の難しさが浮き彫りになった。

 大量降灰対策は緒に就いたばかりだ。鹿児島市は2015年8月、桜島の噴火警戒レベルが一時4(避難準備)に引き上げられたのを機に避難計画を拡充したが、大量降灰を想定した具体的な対策マニュアルを作るのは今年度が初めて。鹿児島、宮崎県境の霧島連山・硫黄山や新燃岳、熊本県の阿蘇山の周辺でも具体的に検討している自治体はない。

 鹿児島市民が大量避難した場合の受け入れ先に想定される同県霧島市は「受け入れ手段だけでなく、霧島に火山灰が降ることも想定して市民の避難についても考える必要がある」としている。

 広域避難の検討と共に火山灰の処分も課題だ。大正噴火と同程度の噴火が起きた場合、鹿児島市街に堆積(たいせき)する降灰量は同市の最大推計で東京ドーム約120杯分の1億5000万立方メートル。市道や緊急輸送道への降灰は10トントラック150万台分の約1000万立方メートルに達する見込みで、現在市内にある重機だけでは除去に20日程度かかるとみられる。

 火山灰は路上などに1センチ積もっただけで交通網やライフラインに深刻な影響を及ぼすとされる。今年から全国の活火山が噴火した場合の大量降灰対策を検討する国も鹿児島市を参考にするという。

最終更新:6/13(水) 8:12
毎日新聞