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損保大手、異業種参入に危機感 スタートアップ企業との協業に本腰、デジタル技術取り込み

6/14(木) 7:15配信

SankeiBiz

 損害保険大手がデジタル技術の取り込みに向け、米シリコンバレーなどでの戦略拠点設置や、新興のスタートアップ企業への出資・協業を通じた新事業創出に本腰を入れ始めた。背景にはデジタル技術を駆使して保険に参入する異業種に、損保のビジネスモデル変革の主導権を握られることへの強烈な危機感がある。

 「デジタル技術に保険会社が破壊されようとしている」。13日に会見したSOMPOホールディングス(HD)の楢崎浩一常務は市場の変化をこう表現した。実際、従来の保険の仕組みを破壊するような商品が登場している。2012年設立の米トロブが開発した「オンデマンド保険」だ。例えば自転車で出かける場合、自転車の時価を算出して使用する時間だけに保険をかけることができる。申し込みもスマートフォンのアプリで済むなど簡単だ。

 もともと、個人資産の価値見積もりサービスを提供するスタートアップだったが技術を保険に活用した。必要なものにだけ時間単位で保険をかけられるという画期的な仕組みは従来の常識だった長期間契約の保険を浸食し、既存の損保の事業モデルを壊しかねない。

 昨年4月、SOMPOHDはそのトロブにあえて出資した。桜田謙悟社長は「彼らとともに技術革新を起こす」と語る。

 対抗するように、東京海上HDやMS&ADインシュアランスグループHDも昨年7月に国内スタートアップのワランティ(大阪市中央区)と組み、オンデマンド保険の販売に乗り出した。

 損保大手3グループは異業種に接近して技術を取り込む姿勢を強めている。シリコンバレーなどのデジタル技術の集積地に戦略拠点を設置。情報収集や人脈づくりに奔走し、世界のスタートアップへの出資や協業を本格化している。

 グーグルなどのIT企業が集積したビッグデータなどを活用し、従来にない発想のサービスを生み出すのはもやは潮流だ。対抗するにはスタートアップとの協業に加え、「保険の枠にとらわれない発想ができるデジタル人材の確保が最大の課題だ」(損保大手幹部)といい、今後は人材の囲い込みも焦点になりそうだ。(万福博之)

最終更新:6/14(木) 7:15
SankeiBiz