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<東電公判>津波対策「先送り」に理解 専門家が証人出廷

6/13(水) 18:51配信

毎日新聞

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣3人の第16回公判が13日、東京地裁(永渕健一裁判長)であった。津波工学を専門とする首藤伸夫・東北大名誉教授が証人出廷し、旧経営陣が2008年に津波対策を「先送り」したと指摘されている点について「当然と思う」と理解を示した。

 首藤氏は1999~2012年、電力会社の社内研究者や大学教授らでつくる土木学会に所属。学会は02年2月に、原子力施設で想定される津波の計算方法を定めた「津波評価技術」を策定した。

 一方、政府の地震調査研究推進本部は同7月、「福島沖を含む日本海溝沿いで巨大津波が発生しうる」とした「長期評価」を公表。これらを受けて東電は第1原発への想定津波について、「津波評価技術」に基づけば最大で6.1メートル、「長期評価」によれば最大で15.7メートルと試算した。

 検察官役の指定弁護士は公判で、旧経営陣が08年に「長期評価」の検証を土木学会に依頼し、津波対策を「先送り」した過失により津波被害を招いたと主張している。

 この日の公判で首藤氏は被告の弁護人から「先送り」の合理性を問われ、「会社として責任を持って学問の進歩を取り入れる必要があるが、一つの会社で(判断するの)は手に余る」と述べ、旧経営陣を擁護した。

 前日の12日に開かれた第15回公判には、同じく津波工学の今村文彦・東北大教授が証人出廷。「(政府の)長期評価は無視できないが、(当時)即座に対策に取り入れるべき(知見)とは考えられなかった」と話し、首藤氏と同様に旧経営陣の「先送り」に理解を示した。【石山絵歩、岡田英】

最終更新:6/13(水) 21:24
毎日新聞