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かわいいけれど、毒も持つ「ナナホシテントウ」 模様似せる昆虫も

6/13(水) 8:20配信

西日本新聞

 生物生態写真家の栗林慧(くりばやしさとし)さんが撮影した昆虫たちが登場するコーナー。

⇒【画像】ナナホシテントウの体のあちこちを噛みまわり、追いはらうアリ

 かわいい虫の代表といってもよいナナホシテントウは、英語でも「Ladybug=貴婦人虫=」などと呼ばれて親しまれている昆虫です。

 どこにいてもとても目立つ色をしているので、昆虫の天敵である鳥にすぐに見つかって食べられてしまうのでは、と思われますが、実はその逆で、鳥たちはナナホシテントウを見つけても決して食べることはありません。

ナナホシテントウに色模様を似せて身を守っている昆虫も

 その訳はナナホシテントウは体に毒を持っているからです。試しにその小さい体を指でつまんだりしてみると、体のどこからか黄色い液を出します。その液が付いた指をなめてみると分かりますが、とても苦いいやな味がします。鳥たちはそのことを知っているので食べることがないのです。

 そのために本当は毒などないのにわざわざ派手なナナホシテントウに色模様を似せて身を守っている昆虫が少なくありません。

 昆虫たちは、われわれ人間から見て役に立つものは益虫、そうでないものは害虫として扱われていますが、ナナホシテントウは益虫の方です。その理由は野菜や花などを食害するアブラムシを主に食べて退治してくれているからです。

 そういうふうに人間の味方をしてくれているにもかかわらず、そんなものでは間に合わないとばかりに、人間は農薬などの武器を発明して、敵味方の区別なく大量に昆虫たちを殺します。ですから、人間はこの地球上で最も罪多き動物なのではないでしょうか。

【栗林慧さん略歴】

 1939(昭和14)年、中国・瀋陽(しんよう)で生まれ、3歳の時に父の郷里・長崎県田平町(現・平戸市田平町)に転居。父の死に伴い、50年に一家で東京へ。陸上自衛隊、保険会社などに勤務、東京綜合写真専門学校で写真技術を学ぶ。1969年、プロの生物生態写真家となり、77年に田平町に戻った。「虫の目」で見える風景を再現したといわれる医療用内視鏡を基にしたレンズを開発、センサーを利用した自動撮影装置、5万分の1秒の高速ストロボも製作し、昆虫や植物などの生態写真に新境地を開いた。国内外で高い評価を得ており、91年に西日本文化賞、92年に日本写真協会年度賞を受賞。2006年には科学写真のノーベル賞ともいわれる「レナート・ニルソン賞」を受賞した。08年には紫綬褒章。著作は「栗林慧全仕事」「The MOMENT」「昆虫の飛翔」など多数。

西日本新聞社

最終更新:6/13(水) 15:13
西日本新聞