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「葬儀も済ませたのに」死んだはずの夫が突然帰宅 なぜこんなことが!?

6/13(水) 20:23配信

FNN PRIME

葬儀・火葬も終えたのに…1年後に本人が帰宅

2017年6月下旬、葛飾区江戸川で身元不明の男性遺体が発見された。
当時、本人の身元確認ができるものはなかったが、警視庁が調べたところ千葉県松戸市に住むAさんの家族から行方不明届が出されており、年齢や身長などの特徴がほぼ一致したことから、遺体は松戸市に住む男性Aさんではないかとの見方が浮上した。

妻を含む3人の親族が写真と遺体を確認したはずが

捜査員が遺体の写真を持ってAさんの親族に確認をしたところ、Aさんの妻を含む親族3人が「Aで間違いない」と言い、その後、警察署で遺体を直接見てもらっても「Aで間違いない」と言った。

これを受けて警視庁は江戸川で発見された遺体をAさんの家族に引き渡した。

Aさんの親族は遺体を引き取った後、葬儀を行い火葬した。
ところが、約1年経った2018年5月に亡くなったとされたAさんが親族の元に突然帰ってきたのだ。

実は2017年6月、同時期に東京・葛飾区に住むBさんの親族からも行方不明届が出されていたが、Aさんの親族が先に行方不明届を出しており、その後、Aさんの妻らによって遺体は本人で間違いないと断言されていたため、警視庁はBさんの家族に対して遺体の照会を行っていなかった。

Aさんは千葉県松戸市に住んでいる40代前半の男性で、Bさんは東京都葛飾区に住んでいる30代後半の男性だが、年齢だけでなく、身長もほぼ同じだったという。

また2人の顔は警視庁幹部によると「似ていないこともない」というものだった。

「夫が生きていた」と連絡を受けた警視庁は遺体から採取していた指紋で照会をかけたところ、Aさんとされていた遺体はBさん本人であるとわかり、引き渡していた遺体は別人と判明した。

親族が行う「顔貌(がんぼう)確認」とは?

なぜ、別の家族に遺体を引き渡してしまったのか?

警視庁によると遺体の確認は死体身元調査法の規定に沿って行われ、それによると親族による「顔貌(がんぼう)確認」が基本だという。

顔貌確認とは、遺族に直接遺体を見てもらい容貌から本人確認をしてもらう作業のことで、このほかにも、「所持品の検査」なども行われるという。

しかし、この顔貌確認には、具体的に親族何人以上の確認が必要であるとか、親族は親、妻、子供の誰でなければならないという定義はなく、家族の「本人で間違いない」という言葉は非常に重要な証言として扱われてしまうという。

今回の顔貌確認はAさんの妻が行っているが、なぜ間違えてしまったのだろうか?

警視庁幹部によると、今回は非常に特殊なケースと前置きした上で、「Aさんと妻は2年間別居をしていたということ、さらに親族が最初に遺体はAさんと言ったことで妻もそう思い込んでしまったのでは…」と話している。

また「家族が突然亡くなったと言われた時に、通常の心理状態で顔を判別することは難しいのかもしれない」とも話した。

警視庁管内だけで1年間に約2万体もの変死事案

警視庁管内で1年間に扱う変死体は約2万体もあり、平均すると1日50体以上扱うことになる。

警視庁幹部は「今回の特殊なケースを教訓としても、現実的に年間2万体もある変死体の扱いにおいて、その全てに指紋や歯型の照会をするには時間も人も足りない。」と話している。

「事実は小説より奇なり」まさに今回この言葉を実感する現実が起きた。

今回の遺体取り違え問題に対してAさんの親族やBさんの親族から警視庁に対して、特に非難する声は出ていないという。

(社会部 警視庁担当 河村忠徳)

最終更新:6/14(木) 21:01
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