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東電、福島第2原発廃炉へ 小早川社長「このままあいまいでは復興の足かせになる」

6/15(金) 7:15配信

SankeiBiz

 東京電力ホールディングス(HD)の小早川智明社長は14日、福島県庁を訪れ、内堀雅雄知事に、福島第2原発(同県)の全4基を廃炉とする方向で検討すると伝えた。「このままあいまいでは復興の足かせになる」と理由を説明した。東電が福島第2の廃炉について方針を示すのは初めて。

 廃炉が決まれば、東電HDが持つ原発は柏崎刈羽原発(新潟県)の7基のみとなるが、肝心の再稼働の時期は見通せていないなど、同社の経営環境には不透明感が漂う。

 原発では、将来必要となる廃炉費用を着実に積み立てるための引当金がある。福島第2の解体にかかる総見積額は2766億円で、今年3月末時点で1975億円を引き当て済みだが、未引き当て分が791億円ある。これに加え、減価償却が済んでいない福島第2の設備資産の簿価は485億円で、核燃料資産の簿価は499億円となっている。

 ただ、現行の会計制度が適用されれば、これらの大半は一括して費用計上せずに段階的に計上できるようになるため、廃炉になっても経営への影響は緩和されるとの見方がある。

 みずほ証券の新家法昌シニアアナリストは「昨年5月に策定された東電HDの再建計画『新々・総合特別事業計画』で福島第2の再稼働は織り込まれておらず、収益上の影響は大きくないだろう」とみる。

 とはいえ、費用が想定より膨らむ恐れもぬぐえず、再建への不確定要因が一つ増えたともいえそうだ。

 14日の東京株式市場で東電HD株は反落し、終値は前日比4円安の514円。小早川社長の発言が伝わった午前に一時11円高となったが、売りに押された。

 事故を起こした福島第1原発は廃炉作業を進めており、東通原発(青森県)は東日本大震災後、工事が中断したまま。東電HDが持つ原発は柏崎刈羽の1~7号機のみとなる。出力の大きな6、7号機は昨年12月に再稼働の前提となる安全審査に合格したが、今月10日の新潟県知事選で初当選した花角英世知事は再稼働の是非について慎重に臨む姿勢で、地元同意の行方は見通せていない。

 東電HDは福島第1原発事故関連で必要と試算された約22兆円のうち、約16兆円を自社で賄わねばならない。昨年6月末に小早川社長と日立製作所出身の川村隆会長が就任して現在の経営体制が発足して1年。電力の小売り全面自由化で競争が激化する中、高い利益目標をクリアするには「稼ぐ力」の向上が急務だ。

 新家氏は「送配電部門の効率化は比較的順調に進む半面、柏崎刈羽の再稼働は地元同意が大きな課題で、新たな収益の柱としての連結子会社の収益向上も道半ばといえる」と話した。(森田晶宏)

最終更新:6/15(金) 7:15
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