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<航路快拓 宮古―室蘭フェリー就航>(上)悲願 港湾復興期待の象徴

6/14(木) 15:16配信

河北新報

 宮古-室蘭(北海道)を結ぶ定期カーフェリーが22日就航する。岩手県にとっては初となる定期航路の開設だ。観光や物流に大きな変化をもたらし、東日本大震災からの復興を強く後押しすると期待される。出航間近、関係者の希望を乗せたフェリーの針路を探る。

【表】宮古-室蘭航路の概要。定員は600人

(宮古支局・佐々木貴)

<県が利用戦略>

 宮古港(岩手県宮古市)に1日、フェリーターミナルが完成した。ターミナルには運航会社の川崎近海汽船(東京)と市港湾振興課が同居。カーフェリー「シルバークイーン」=?=就航に向け、準備に余念がない。

 震災復興を急ぐ市にとって、2016年のフェリー就航決定は最上級の朗報だった。「宮古ではなく、岩手の港という意識で利用してほしい」と、山本正徳市長も高揚感を隠さない。

 震災を受けて岩手県は12年、県内の重要4港湾が役割を分担する利用促進戦略を策定した。背後に観光資源が豊富な宮古港は、フェリー誘致に照準を絞った。

<「30年来の夢」>

 「30年来の夢がかなった」。1997年から宮古市長を3期務めた熊坂義裕さん(66)もまた、第1便の出発を心待ちにする一人だ。

 市民団体の代表として88年から宮古-釧路(北海道)フェリーの誘致活動を展開。市長在任中も一貫して「人口減少が進む中、宮古の発展には港湾活用が欠かせない。フェリーはその象徴」と力説してきた。

 市民の間にも期待感が高まっている。和食店「海舟」はフェリー利用客向けにサケ、ホタテなど地元の海産物を使った弁当を販売する。若おかみの山根千春さん(37)は「歓迎ムードを高めたい」と腕をまくる。

 海を隔ててパートナーとなる室蘭市も事情は同じだ。最盛期に5航路あった定期フェリーは、2008年の青森航路廃止で全て消滅。今回は室蘭港のフェリーターミナルを8億5000万円かけて改修した。

 市総務課都市交流担当の本野泰伸主幹は「宮古と300キロ以上離れていても、気持ちは近づいている」と北東交流圏の形成に意欲を示す。

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最終更新:6/14(木) 16:31
河北新報