ここから本文です

逆質問で相手をはぐらかす 麻生財務相「責任転嫁」の手口

6/14(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 アメフト部の悪質タックル問題の余波が続く日大は、教職員組合から田中英寿理事長の辞任を求める声が上がっている。これほど事態が悪化したのは、日大の初動ミスが大きいだろう。

 試合から10日後の先月16日、関学大への回答書で、内田前監督からの反則行為の指示を否定。その原因は指導方針にあったとして、「ルールに基づいた厳しさを求め」たところ、「指導者による指導と選手の受け取り方に乖離が起きた」としている。文書で姿も見せず、選手に責任転嫁するような言いぐさだ。

 その6日後の22日、日大の加害選手が毅然とした態度で会見を開く。内田前監督らからの指示を明言したことで、翌23日、“火消し”に追われている。前監督とコーチは悪質タックルを「想定外」とし、「とんでもない重圧を受けて前が見えなくなったのかな」と、どこまでも他人事だった。

 その後も後手後手の対応で、終始歯切れの悪い受け答えが続き、内田氏は結局、監督の立場はもちろん、死守したかった大学の常務理事も追われることになる。

■マックの女性社長も自己保身に走った

 そういえばマクドナルドも、4年前は賞味期限切れの鶏肉を使用したり、異物混入が相次いだりして、大ピンチだった。

 カサノバ社長は当時、「マックは(取引先に)ダマされた」と発言。14年7月の売上高は前年同月比17.4%の大幅減で、翌8月は25%を超える急ブレーキだ。15年12月期は、業績が上場以来最低水準にまで落ち込んでいる。

 精神科医の片田珠美氏が言う。

「謝罪の場で、責任転嫁するのは、心の底に『自分は悪くない』という気持ちがあるため。日大もマックも、自己保身に走ったことで世論の反感を買ったのです」

■とにかく解決策に目を向けさせる

 マックが発注していた中国の食品会社は、確かに衛生管理がひどかったが、だからといって企業のトップが、被害者に言い訳する理由にはならない。

「企業としての被害額が大きいほど、役職が高い人ほど、失うものが大きく、保身から責任転嫁しやすい」(片田氏)というが、表向き責任転嫁のようには見せずに逃げるケースもあるから要注意。その典型が、麻生太郎財務相だという。心理学博士の鈴木丈織氏が言う。

「麻生氏は記者に聞かれたことに対してよく逆質問をします。この逆質問も、責任転嫁のやり口の一つで、論点をウヤムヤにする効果があるのです。『あなたは知らないの?』と問いかけることで、話をすり替えたり、問われた相手を混乱させたりして、誰に責任があるのかを分かりにくくできますから」

 質問を逆質問で返されるといつまでたっても話が進まない。日大の内田前監督のように責任転嫁で墓穴を掘るタイプはまだしも、上司が“逆質問タイプ”だとつらい。どうすればいいか。

「逆質問されたら、『では、どう解決しましょう』と投げかけて、具体的な解決法を提示したり、話し合いの日時を設定したりして、事態の収束を図ることを目指すのが賢明です」(鈴木氏)

 日大やマックのようになったら大変だ。部下が自己保身タイプの上司を持ったら、とにかく事態の収拾に目を向けさせるしかないだろう。