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全銀協、ゆうちょ銀の限度額撤廃に反対 会長が改めて表明、拙速な方向性の決定へ警戒

6/15(金) 7:15配信

SankeiBiz

 全国銀行協会の藤原弘治会長(みずほ銀行頭取)は14日の記者会見で、ゆうちょ銀行の通常貯金の預入限度額を撤廃する案が浮上していることについて、「限度額緩和の議論が行われることに反対だ」と改めて表明した。政府の郵政民営化委員会が来週にも撤廃を含む複数の案を提示するとの観測が出ており、9月の自民党総裁選を前に政治力学で拙速に方向性が決まることへの警戒感もにじむ。

 「民間金融機関との連携協調機運が盛り上がっている中で水を差しかねない」

 藤原氏は限度額撤廃を認められない理由をこう説明した。地方銀行はコストがかかるATM(現金自動預払機)の運営委託などでゆうちょ銀と協力関係を深めてきたが、撤廃案の具体化でかつてのように「民業圧迫」と批判を強めている。

 金融機関の経営環境は超低金利による利ざや(貸出金利と預金金利の差)縮小で悪化している。限度額が撤廃されれば将来経営難に陥った銀行からゆうちょ銀への預金シフトが一気に進む懸念がある。預金を奪われると利用者との関係が薄れ、住宅ローンなどの相談がなくなる恐れもある。

 預入限度額は通常貯金と定額貯金を合わせて1300万円。退職金などまとまった額を預かることができないことに加え、限度額に到達した際に利用者に案内する事務負担も大きく、全国郵便局長会などが撤廃を求めている。民営化委は個人の通常貯金に絞った限度額撤廃や、通常貯金と定額貯金を分離して限度額を引き上げる案などを検討しているもようだ。

 限度額を定めた政令は総務省と金融庁の共管案件になる。野田聖子総務相は「現状に不便を感じている人がいる実態を踏まえて前に進めてほしい」と撤廃を求めているが、金融庁の反対で調整は難航している。

 自民党は昨年10月の衆院選公約で限度額のさらなる見直し検討を掲げ支持基盤の郵便局長会に配慮した。3年ごとに行う民営化全体の検証作業の一環とはいえ、金融業界では「野田氏が総裁選に向けたアピールを仕掛けているのでは」(メガ銀幹部)と不満もくすぶる。

最終更新:6/15(金) 7:15
SankeiBiz