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シダックスがカラオケ事業撤退、カラオケ利用者は増加しているのになぜ?

6/15(金) 8:00配信

THE PAGE

 シダックスがカラオケボックスからの撤退を発表しました。もともとシダックスは、社員食堂の請負からスタートした企業で、現在でも給食事業がメインですが、世間的にはカラオケのイメージが強いかもしれません。カラオケ事業からの撤退によって、同社は元の姿に戻ることになります。

 シダックスは5月30日、カラオケ事業の運営子会社の株式を「カラオケ館」を運営するB&Vに売却すると発表しました。店舗の看板名は変わらない予定となっているほか、食材の提供は継続しますから、利用者にとってはそれほど大きな影響はなさそうです。ただ、今後、合理化による店舗の閉鎖も考えられるため、近くのシダックスの店舗がなくなってしまうという可能性はゼロではありません。

 シダックスはもともと給食事業者ですから、同社のカラオケボックスも食事がウリとなっていました。店舗にもコストをかけており、食事のメニューと組み合わせて利益を得るビジネスモデルでした。

 かつてカラオケは、サラリーマンや学生などがグループで行くケースが多く、食事をメインにしたシダックスの形態は利用者のニーズにマッチしていました。しかも、カラオケの市場そのものは絶好調とまでは行かないまでも、利用者数の増加が続いており、普通に考えればシダックスは順調に業務を継続できるはずでした。ところが、同じカラオケといっても、その利用形態はここ10年ですっかり様変わりしてしまいました。もっとも大きな違いは「1人カラオケ」の台頭です。

 1人カラオケは文字通り、1人でカラオケを楽しむことですが、こうした利用形態の場合、大量の食事や飲み物をオーダーすることはありません。このため食事で利益を得ることはできず、店舗のコストを徹底的に絞ることで利益を確保しなければ採算割れしてしまいます。

 業界最大手でシダックスのライバルでもあった「ビッグエコー」(第一興商)や「まねきねこ」(コシダカホールディングス)は、こうした流れにすぐに対応できましたが、食事で稼ぐ構図だったシダックスは対応が遅れてしまいました。2016年には同社の象徴だった渋谷の旗艦店を含む約80店舗の閉店を決断。その後、業績回復を試みましたが、自社での再建は断念するという状況に追い込まれました。

 現在、同社は創業2代目である志太勤一氏が社長を務めていますが、創業者である志太勤氏は、ベンチャービジネス界では非常に有名な人物です。給食事業という祖業に戻ることで再起を図ることになりそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/20(水) 6:02
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