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<サッカー日本代表>乾を変えた香川の存在 ともにW杯へ

6/14(木) 20:27配信

毎日新聞

 サッカー日本代表の乾貴士(ベティス)が30歳にして初めて、14日開幕のワールドカップ(W杯)ロシア大会に挑む。12日の強化試合パラグアイ戦では2ゴール。上り調子で世界最高峰の舞台を迎える。

 乾が最初に注目を集めたのは滋賀・野洲高2年で初優勝した全国高校選手権。複数のJリーグクラブから誘いを受け、2007年に卒業すると横浜Fマリノスに入団した。しかしプロのレベルについていけず、在籍した1年余りでJ1の出場はわずか7試合。「しんどかった。正直、やめたかった」と苦しんだ。

 08年夏に当時J2のセレッソ大阪に移籍。乾を高校時代から知る小菊昭雄・セ大阪コーチは当時を「高校時代は目をキラキラと輝かせていたのに、うつむいて、自信がなさそうだった」と振り返る。ピッチでも攻守に献身的だった姿は消え、練習でも精彩を欠いた。

 そんな乾を変えたのが、当時セ大阪にいた同学年の香川真司(29)=ドルトムント=の存在だ。香川を見た時に「同じ年でこんなうまいやつがいるんだ」と衝撃を受けた。しかし、すでに活躍していた香川に負けたくないという思いが意欲を生み「真司とやり出してから楽しくなった」。徐々に本来の姿を取り戻して成長した。

 セ大阪加入から3年後の11年夏にはドイツへ移籍。15年には念願だったスペインに活躍の場を移し、北部のクラブ、エイバルで中心選手となった。巧みなドリブルなどが評価されてW杯代表にも選ばれ、今月に入り同じスペインのベティスへの移籍も発表された。

 パラグアイ戦では「今でも雲の上の存在」と尊敬する香川とそろって先発。「セレッソでずっとやっていたのでやりやすい」と息の合ったプレーを見せた。香川のアシストを受けた2得点は、日本代表にとって3試合ぶりの得点。そして今年初の白星をもたらした。

 「今が楽しい」と充実した時を過ごす乾。その楽しさを、W杯でもプレーで表現しようとしている。【丹下友紀子】

最終更新:6/14(木) 20:27
毎日新聞