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<米韓合同軍事演習>中止方針に「時期尚早」の声も

6/14(木) 20:57配信

毎日新聞

 【シンガポール高本耕太、ソウル堀山明子】米CNNテレビは13日、トランプ米政権が8月に予定される定例の米韓合同軍事演習を中止する方針で、14日にも正式発表すると報じた。トランプ大統領は12日の米朝首脳会談後の記者会見で、米朝対話が進行している間の演習中止を検討すると表明。北朝鮮に非核化への具体的な取り組みを促す狙いがあるが、米国内には時期尚早な判断との懸念が出ている。

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 演習は「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」。コンピューターを用いた指揮所演習が中心で、朝鮮半島情勢が平時から有事、全面戦争へと展開するシナリオを想定し、部隊の指揮系統や即応態勢を確認する。過去には米韓に加え、オーストラリアやカナダ軍なども参加してきた。

 CNNは関係者の話として、演習中止の提案は首脳会談で北朝鮮側に示す譲歩案の一つとして検討されていたが、実際に提起するかの判断は「トランプ氏が現場で下した」としている。

 トランプ氏は会談後の会見で演習について「非常に挑発的と言わざるを得ない。包括的なディール(取引)を交渉しているときに、『戦争ゲーム』をすることは不適切だ」と述べ、北朝鮮との非核化交渉の障害になるとの考えを示した。

 さらに「とてつもなく高額で、大部分を米国が負担している」と指摘したトランプ氏は、「3万2000人の在韓米軍をいずれ帰国させたい」と述べ、将来の撤退論にまで踏み込んだ。

 こうした発言は11月の中間選挙もにらみ、同盟国の安全保障への過重負担を嫌う国内支持層を意識したものと言える。だが、米政府が「防衛力や相互運用性の向上が目的」と説明してきた演習が長期にわたって凍結されるような事態になれば、米韓同盟の抑止力が低下し、地域の安全保障バランスが崩れる恐れもある。

 一方で韓国政府は、在韓米軍撤収は米韓同盟に関わる問題として慎重な立場を崩していないが、演習中断が米朝の緊張緩和に役立つなら協力する方針だ。

 青瓦台(韓国大統領府)によると、文在寅(ムンジェイン)大統領は14日、国家安全保障会議(NSC)を7カ月ぶりに自身で招集し、米朝首脳会談後の対応について「新しい時代精神で取り組むべき時だ」と発想転換の必要性を強調。米韓合同演習について「北朝鮮が真摯(しんし)に非核化措置を実践し、南北、米朝間の対話が続くなら、北朝鮮への軍事的圧力には柔軟な変化が必要で、演習(中断)についても緊密に米国と協議するように」と指示した。

 ただ、こうした対北朝鮮政策の変化は「米韓同盟を土台に米韓防衛態勢を維持する必要がある」とも述べ、在韓米軍不要論に飛び火しないよう注意を促した。

最終更新:6/14(木) 22:08
毎日新聞