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近代建築の巨匠…ナチスから日本に亡命のタウト「緑の椅子」80年ぶり復刻 少林山達磨寺 

6/15(金) 7:55配信

産経新聞

 ドイツを代表する近代建築の巨匠、ブルーノ・タウト(1880~1938年)が高崎市で亡命生活を送っていた際にデザインした「緑の椅子」がほぼ80年ぶりに復刻され、少林山達磨寺で披露された。寺と工学院大学の鈴木敏彦教授が代表研究者を務める「緑の椅子リプロダクト研究会」のコラボレーションで実現した。寺では今後、椅子の展示や記念販売も検討するという。

 タウトはナチス・ドイツの迫害を逃れて昭和8年に日本に亡命。9年8月から離日するまでの2年2カ月間は高崎市の実業家、井上房一郎の招きで同寺境内にある洗心亭に滞在した。この間、日本の素材を生かした家具や漆器など数百点以上の工芸品を生み出し、ドイツ・ヴェルクブント(ドイツ工作連盟)の美学を伝えたという。

 「緑の椅子」もその一つで、広瀬正史住職は「高崎での最初期に手がけた作品だと思う」と語る。

 タウトは椅子を作る際、試作品ができる度にひじ掛け部分に腰掛けたり、斜めに圧力をかけたりと強度を試していたといい、「緑の椅子」も背もたれ部分に折れた跡が残っている。大きさは幅42・3センチ、奥行き43センチ、高さ80・8センチで、重さ2・23キロ。商品化はされず寺で保管されていた。

 復刻された椅子には、日本を代表する家具メーカー、天童木工(山形県天童市)の不等厚成形合板の技術が駆使されている。復刻とともに量産化も可能になった。

 椅子の研究に造詣の深い武蔵野美術大の島崎信名誉教授は「(復刻には)オリジナルの形状をできるだけ残すとともに、最新技術を導入することが大切。今回は大変すばらしいことで、次のプロセスに広がっていく」などと話していた。

最終更新:6/15(金) 7:55
産経新聞