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【発信!宇都宮「キスできる餃子」】(1)「ぎょうざの龍門」森勇二さん 苦心の日々、主人公に重なり

6/15(金) 7:55配信

産経新聞

 宇都宮を舞台にした映画「キスできる餃子(ギョーザ)」(秦健(たけ)日子(ひこ)監督)で最も重要な餃子店のシーンは、宇都宮市中心部から少し離れた「ぎょうざの龍門」(同市御幸町)で撮影された。国道4号(奥州街道)から入った路地にある「ガンコおやじ」の赤い看板の店だ。

 店主、森勇二さん(49)は父、姉と続く3代目。CDも発売している演歌歌手との“二刀流”で、「演歌一本でやっていこうと思った頃、姉から店を任された」。平成23年秋。姉のレシピは引き継がず、「自分もそうだった。勇ちゃんも自分で考えて作りな」と言われて焦った。苦心の末、直後の「宇都宮餃子まつり」で評判が良かったことで自信になった。

 餃子作りに苦心した日々が映画の主人公の姿に重なった。「他店の店主もそうだと言っていて、そこが宇都宮餃子のすごいところ。みんな妥協しない。また、焼き方はこの方がきれいだとか技を隠さない。自分も先輩に教わったから、後輩に教えたい。宇都宮餃子会は部活動ですよ」

 タマネギで野菜の甘みも生かし、調味料を極力少なくして野菜の本来のうまさを生かそうと探求する。「10人食べて10人おいしいという餃子が目標。それぞれ好みがあって、もちろん難しいが、それでも…」。挑戦する姿勢を持ち続ける。

 ロケで使うため、1カ月間近く店を閉めた。観光客の多い夏休みで、餃子専門店にとっては稼ぎ時だが、その間は駐車場にキッチンカーを置いて営業。「両親をはじめ(ロケで店が使われて)みんな喜んでくれた。周りのことを考えず、二つ返事でOKしたのは反省だけど、近所の人に協力してもらった。改めて宇都宮の良さ、温かさを感じた」と森さん。エキストラ用のバスなど車を止める場所、店前での行列シーン、夜中のロケなど、近くの幼稚園や隣近所の協力があって、ロケはスムーズに進んだ。

 森さん自身、行列に並ぶ客としてエキストラにも参加。「暑かったし、自分の店だから不思議な感じ」。明るい笑顔で振り返った。

 ★きょうから県内先行上映 「キスできる餃子」は15日、県内映画館5館で先行上映が始まる。同作品には大勢の宇都宮市民、関係者が関わっている。宇都宮を盛り上げたいという人々の声を聞いた。

最終更新:6/15(金) 7:55
産経新聞