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開業届け出は8件、兵庫「全国一厳しい民泊条例」に希望者から不満も

6/14(木) 9:46配信

産経新聞

 旅行者を一般住宅に有料で宿泊させる「民泊」を解禁する住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行を15日に控え、全国一厳しい民泊条例を定めた兵庫県での民泊開業の届け出が8件にとどまっていることが13日、分かった。県や各市には、住居専用区域や学校周辺での営業を通年で禁止したり、住民説明会の開催を義務づけたりするなど厳しい要件があり、開業に踏み切れない事業希望者からは不満の声も出ている。

 県によると、政令市や中核市を除く県内で届け出があったのは佐用町や上郡町などの3件で、そのうち要件を満たして受理されたのは2件。残り1件は書類確認を進めている段階。

 県条例では学校周辺や図書館などの周辺100メートル以内と住居専用区域は通年で営業禁止。景観形成地区は夏(7、8月)と冬(11~3月)は毎日、それ以外の季節も金~日曜と祝日、祝前日は営業を認めない。トラブルに備え、25分以内に駆けつけられる態勢を確保することも盛り込んだ。

 神戸市が有馬温泉のある北区有馬町で繁忙期は営業を認めないなど、政令市や中核市も同水準の条例を制定しているため、神戸市が2件、尼崎市が3件、そのほかの中核市には届け出がないなど、いずれも低調となっている。

 全国一厳しい民泊条例を制定した理由として、井戸敏三知事は「県内の旅館やホテルの稼働率が低い」と強調。観光庁の調査でも昨年の県内宿泊施設稼働率は57・5%で、最も高かった大阪府の83・1%はおろか、全国平均(60・8%)すら下回っている。

 一方、県内での民泊事業を検討していた事業者からは「要件が厳しすぎる」と不満も出ている。ゲストハウスを経営する「神戸なでしこマネジメント」(神戸市中央区)の古田佳奈美社長は、住居専用地域での通年禁止について「一般住宅に泊まって日本人とコミュニケーションを取ることができるのが民泊の魅力のはず」と指摘。「事業可能の地域が限定されすぎだ」と訴える。

 県は平成28年度に1億3400万人だった観光客数を31年度までに1億5千万人に増やすことを目指すが、県議会の6月定例会で「外国人客の取り込みに民泊を活用すべきだ」との指摘が議員からあった。県内の観光業者も「現時点で民泊ニーズは高くないかもしれないが、日本人との交流を期待する外国人客の潜在需要はある」と疑問を呈している。

最終更新:6/14(木) 9:46
産経新聞