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BIE総会 再生医療第一人者の発信力と「課題」の若者参加・途上国支援のアピールに力

6/14(木) 9:53配信

産経新聞

 11月に開催地が決定する2025年国際博覧会(万博)の立候補3カ国が13日、パリで開かれた博覧会国際事務局(BIE)総会で集大成のプレゼンテーションを行い、誘致レースはいよいよ終盤に突入した。日本は最先端の技術で課題解決に取り組む25年万博の成果は、「世界のみなさんすべてのものになる」と強調。十分にPRできていなかった若者の参加や「大票田」の発展途上国への支援も具体策を示し、幅広い国への支持拡大を狙った。(パリ 杉侑里香)

 「イ・ノ・チ」。「日本で『ライフ』のことを、そう呼びます」。穏やかな口調で、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を発見した驚きを語った山中伸弥・京都大iPS細胞研究所長の言葉に、BIE総会の会場は一気に引き込まれた。

 日本の強みである再生医療の第一人者の知名度と発信力は抜群だ。アルツハイマーやがん、心臓病など多くの病気の治療へつながる大発見。その驚きをもたらした科学の力に気づいたのは「1970年の大阪万博の会場」と振り返り、「25年の万博は、未来の科学者たちを魅了してやまない『驚きの実験室』にする」と力強くアピールした。

 続いて登壇した世耕弘成経産相は、山中氏と大阪教育大付属天王寺中学・高校の同級生。ともに70年の大阪万博が人生の転機となり「未来を創り出す一人になりたいという夢見る者」になったエピソードを披露した。当時7歳だったという世耕氏は、「終生の友である山中氏とともに、大阪・関西で人生を変える万博をもう一度開きたい」と語り、その目的を「2025年の7歳の子供たちのためだ」と力強く訴えた。

 今年3月のBIE調査団による現地視察で、途上国の参加支援に関する質問を多く受けた日本。世耕氏はパビリオンの建設費や旅費など、参加費用の捻出を懸念する途上国があることを念頭に、「経費を心配する必要は全くない。最大限の協力を惜しみません」と呼びかけ、約100カ国を対象に一国あたり220万ドル、総額2億1800万ドルの支援を約束してみせた。

 途上国支援の具体策を表明した背景には、11月の総会で行われる投票で、途上国からより多くの票を取り込む狙いもある。世耕氏は「25年万博が、世界中の誰にとっても人生を変える体験の場となるように全力を尽くす」と強調した。

 安倍晋三首相もビデオメッセージを寄せ、「世界の子供たちに人生を変える経験をもたらすことを約束する」と国を挙げて開催に全力を尽くすことを誓った。

 若者の代表として起用されたのは、京大医学部で学び、万博誘致を目指す学生グループ「WAKAZO(ワカゾー)」のメンバーでもある川竹絢子さん(23)。医療の重要性に触れつつ、「世界の若者を巻き込みながら、大阪万博のテーマである命や健康の課題解決を引っ張っていきたい」と語った。

 プレゼンの最後には松井一郎大阪府知事や吉村洋文大阪市長ら関係者が手拍子をしながら一斉に登壇、バイオリンの生演奏も披露され、会場を盛り上げた。

 プレゼンを終えた世耕氏は記者団に「ロシアとアゼルバイジャンも大変力のこもったプレゼンだった。負けているとは思わないが、最後の最後まで気が抜けない」と話した。

最終更新:6/14(木) 9:53
産経新聞