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【ABC特集】“待機児童ゼロ”の 切り札が企業と子どもにしわ寄せ? 国の肝煎り「企業主導型保育所」 助成金めぐるずさんな実態

6/14(木) 16:00配信

ABCテレビ

 企業が従業員向けに作る「企業主導型保育所」。待機児童対策の切り札として、国の肝煎りで導入が進められていますが、その裏で「企業や子どもに、しわ寄せがいっている」という声が上がっています。現場からは「お金は振り込まれないし。不信感はすごく、だんだんだんだん募っていく」という声も。
取材を進めると、企業に負担を強いるずさんな実態が見えてきました。

待機児童ゼロへの“切り札”

「女性活躍の旗を高く掲げ、引き続き、待機児童の解消に全力で取り組みます」

今年1月、安倍総理が政策方針演説で述べ、政府が掲げる「待機児童ゼロ」。実現に向けて、内閣府がおととし始めた「企業主導型保育事業」は、企業が従業員の子どもなどを預かる保育所を作った場合に、国が助成金を出す制度。その財源となっているのは、子育て支援のために企業が国に納めている拠出金です。

「保育園に子どもさんを預けながら働いていきたい方の希望も大変高いわけでありまして。企業主導型保育によって対応していこうと」(加藤勝信・前1億総活躍大臣 2016年6月)

内閣府は6万人分の入所枠を、今年3月までに確保。2年間で整備された企業主導型保育所の数は2500施設以上に上ります。

大阪市内で開かれた企業主導型保育事業のセミナー。西日本での開催はここだけということもあり、200名の定員が満席になるほどの盛況ぶりです。

人気の理由は充実した助成の内容にあります。施設の「整備費」と「運営費」の2種類の助成金を受けることで、自己負担を最小限に抑えて運営することができるのです。

頼みの助成金が支払われず

 着実に広がりを見せている新制度。しかしその裏で、企業に負担を押し付けるお粗末な運営に対し、批判の声が上がっていました。

「企業主導型っていうのだと、従業員の子どもの枠を作れるということで、そこにメリットを感じて」

神戸市にある企業主導型保育所の代表、高橋さん(仮名)。会社に女性社員が多く、整備費の4分の3は助成金で支払えることから、保育所の設置を決めました。

内閣府から事業委託を受ける「児童育成協会」に対する申請はホームページへの入力のみで、現地調査などはありません。

「整備計画というのもめちゃくちゃ簡単なもので、ここに入力するだけ。だからそんなに細かいチェックとか特になく」(高橋さん)

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最終更新:6/14(木) 16:00
ABCテレビ