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「私の声」が世の中を変えることだってある #MeTooやLGBTムーブメントにみる希望

6/14(木) 11:03配信

BuzzFeed Japan

世の中を支配する「空気」ができる前から、先取りして「気配」を察知し、自ら縛られにいく私たち。4回目の最終回は、それでも個人が声を上げることで空気が変わることもあると、フリーライターの武田砂鉄さんが希望について語ります。
【BuzzFeed Japan Medical / 岩永直子】

個人の怒りが空気を変えた#MeTooやLGBTの動き

(武田さんの論じる空気や気配について考えると、無力感に打ちひしがれそうになります。ただ、#MeTooやLGBTのムーブメントなど、個人が声をあげて社会が変わってきたという感触もあります)

そうですね、#MeTooは個人の力で社会を動かしました。

ジャーナリスト・山口敬之氏からレイプされたと告発した伊藤詩織さんや福田淳一前財務次官からのセクハラを告発したテレビ朝日記者などの動きによって、世にはびこるセクハラがやりにくくなってきたことは間違いないと思います。

それでもまだ「おやおや、これもセクハラになっちゃうのかな?」と半笑いで過ごす下品な連中が残っていますが、彼らは確実にこれまで通りのセクハラがやりづらくなっている。ビビっている。どんどんビビらせればいいのです。

女性の役割があまりに旧態依然としているCMについてなどは、SNSから勃発する声が、食い止める機能を果たしています。

やり過ぎ、と思っている人もいるかもしれませんが、力づくで男性優位を保ってきた社会に対して、多少の強い力は必要です。セクハラを許さない、そしてセクハラまがいの行為を問い質すという空気が醸成されてきています。

#MeTooの動きは、諸外国に比べたら規模は小さいのかもしれませんが、一つの社会変革の動きとしては非常に有効です。こうやって突き上げる行為を、様々な側面でやっていかなければならない。でも、一つの動きが強まれば、反動が来る。それに耐えて、それでも言い続けなければならないのかな、と思います。

(#MeTooで言えば、伊藤詩織さんが名前と顔を出して被害を訴えたのは大きかったです。「わたくし」がはっきり見える個人が声をあげた効果は大きかった)

そうですね。もちろん、顔や名前を出すことを強制してはなりません。福田前財務次官にセクハラをされたテレビ朝日記者が「あなたも名乗れ」と強制されるようなことがあってはならない。でも、ああやって伊藤さんが表に出ることを決断された勇気による効果は大きかったと思います。

しかし、そのバッシングは想像を絶するものがありました。自分はいわゆる右派系の雑誌を毎号読むようにしていますが、そこに注がれた言葉の数々は非道なものでした。告発した人間が、人間として崩れることがあってはならないと思います。

山口敬之氏は、「『伊藤詩織』問題」と銘打った原稿を書いています(『月刊Hanada』2018年1月号)。これは明らかに「『山口敬之』問題」です。私は、伊藤さんの手記とそれを受けて発表された山口氏の手記を読み比べて、いかにして山口氏が意図的に誤読をしているかについて考察しました。

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最終更新:6/14(木) 11:03
BuzzFeed Japan