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<独自>“小池知事の謝罪”必要性 東京都、1月には把握

6/14(木) 22:13配信

TOKYO MX

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 東京都の豊洲市場に整備される観光拠点「千客万来施設」は、小池知事が事業者に謝罪したことで着工に向けて動き出しましたが、都は知事が謝罪する必要性を1月の時点で把握していたことが、TOKYO MXの取材で分かりました。

 東京都の小池知事は、事業者である万葉倶楽部の高橋弘会長と5月30日に面会し、これまでの都の対応について謝罪しました。これによって万葉側の態度が軟化し、2年後のオリンピック後に工事を進めることで両者が基本合意しました。これについて小池知事は6月1日、「万葉さんに対して気配りが足りなかった点については謝罪して、先方も受け止められたことから大きく変わった、大きく動いた」と語っていました。

 交渉の鍵となった小池知事の謝罪で5月末に急展開を見せましたが、交渉に当たっていた都の担当者は1月中旬の時点で、万葉側から「非を認めることからスタート」と伝えられていたことが情報公開請求で分かりました。

 都は3月末までに事業の確約を得るため、土地の賃料割引で約6億円、建築費が上昇した分の補填(ほてん)で3億円から4億円など、万葉側が十数億円分の負担が減るような措置を提示し、交渉していました。しかし、決め手となった「小池知事の謝罪」については、4カ月間近く、慎重な姿勢を取っていたことになります。

 明らかになったのはこの他にもありました。前年(2017年)11月24日の記者会見で小池知事は、唐突に「豊洲市場への移転関連で、私から1点申し上げます」と話し始め、当時、担当者レベルで交渉中だった千客万来施設について言及しました。この際、小池知事は「築地特有の貴重な財産であるにぎわいを引き継ぐ、千客万来施設を最優先に整備するように努力していく」と語りました。

 「千客万来施設を最優先に整備する」という言葉は、会見の9日前の打ち合わせで、万葉側が東京都に求めていたものでした。TOKYO MXが情報公開請求で入手した11月15日の議事録によれば、万葉倶楽部は「千客を最優先に考えているなど踏み込んで具体的に言ってもらいたい。会長を説得するには、そのような明快なメッセージがほしい」と発言したと記録されています。東京都はこの要請を受け、この日から一番近い定例記者会見で小池知事から情報発信することを決め、万葉倶楽部に理解を求めたものとみられます。しかし同じ会見で、小池知事が築地再開発について「食が重要な核を成す」という発言をしたことに万葉側が危機感を募らせ、事業実施の判断を踏みとどまりました。

 最終的に事業の確約を得たものの、千客万来施設を巡っては地元・江東区議会が東京都の対応に反発しているため、小池知事には解決すべき課題が残されています。

最終更新:6/14(木) 22:13
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