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徹底解説! 都営浅草線5500形 最高速度の向上で乗り入れ路線が拡大へ

6/14(木) 17:12配信

乗りものニュース

開業60周年を控え車両もリニューアル

 東京都交通局は2018年6月11日(月)、都営浅草線の20年ぶりとなる新型車両「5500形電車」の報道関係者向け試乗列車を浅草橋駅(台東区)から馬込車両基地(大田区)まで運転しました。

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 浅草線は、西馬込~泉岳寺~日本橋~浅草橋~浅草~押上間の18.3kmを結ぶ都営地下鉄の路線です。泉岳寺駅で京急線、押上駅で京成線に接続して相互直通運転を行っており、さらに北総鉄道や京成成田空港線(成田スカイアクセス)、芝山鉄道線からの乗り入れ列車も運転されています。

 開業したのはいまから約50~60年前で、トンネルなどの施設が老朽化。浅草線を走る車両のうち、東京都交通局が運用している5300形電車216両(8両×27編成)も一番古いもので30年近く経過しています。

 こうしたことから交通局は、2020年に開業60周年を迎える浅草線のリニューアルを計画。その一環として新型車両の5500形を導入することにしました。コンセプトは「日本らしさとスピード感が伝わる車両」。2017年には最初の編成(5501編成)が完成しました。

 5500形の製造はJR東日本グループの総合車両製作所(J-TREC)が担当しました。8両でひとつの編成を組み、1両の長さは18m。利用者が乗り降りするドアの数は片側3か所に設けられています。これは他社の乗り入れ車両も含む浅草線の共通規格として定められているもので、従来と変わりありません。

 編成両端の2両(西馬込寄りの1号車と押上寄りの8号車)は、モーター付きで運転台も設けた制御電動車。中間の6両は2、3、6、7号車がモーター付きの電動車で、残る4、5号車がモーターの無い付随車です。5300形に比べモーターを搭載した車両が2両増えており、編成全体の出力も向上しました。パンタグラフは3号車と6号車に設置されています。

「日本らしさ」をちりばめたデザイン

 浅草線を現在走っている5300形の車体はアルミ合金製で、白をベースにした塗装が特徴。これに対して5500形はJ-TRECのオールステンレス車両「sustina」です。そのなかでも1両の長さが18mで、ドアを片側3か所に設けた「sustina S13」が採用されました。「sustina S13」採用車両は、5500形のほかに静岡鉄道のA3000形電車があります。

 外観は車両のコンセプトに基づき、歌舞伎の「隈(くま)取り」を取り入れたデザインが取り入れられました。浅草線の沿線には歌舞伎座があり(最寄り駅は東銀座)、「国際的にも日本のイメージとして一般的」(交通局)といった理由から、歌舞伎をモチーフにしたデザインにしたといいます。

 内装も「日本らしさ」を随所にちりばめたデザインでまとめられています。壁は側面が和紙調、両端が竹をイメージした柄になりました。

 座席は従来の車両と同じロングシートですが、ひとり分の幅は従来車より1.5cm広い47.5cmになりました。背面は「寄せ小紋」、座面は「亀甲文様」でデザインされ、「日本らしさ」を強調したといいます。カーテンにはウメやちょうちん、花火など、沿線ゆかりのシンボルを描いたイラストがデザインされました。

 ロングシートの端にある袖仕切りは、見通しを良くしたガラス窓付きの大型タイプ。ガラスの部分には江戸切子調の柄がデザインされました。ドアと袖仕切りの間のスペースは従来より12cm広い33cmとし、ラッシュ時にはスムーズに乗り降りできるようにしたといいます。

 文化や言語、国籍、老若男女といった差異に関わらず誰でも利用しやすい「ユニバーサルデザイン」の考え方も随所に取り入れられました。つり手と手すりの数を増やし、このうちつり手は5300形に比べ1両につき約30個増えています。また、一部のつり手は低くなりました。荷物棚も5300形に比べ13cm低くしています。

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