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サメの意外な生態、本に 静岡の女性「人食い、存在しません」

6/15(金) 7:58配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 「人食いザメは、存在しません」―。サメ専門のジャーナリストとして活動する沼口麻子さん(38)=静岡市清水区=がこのほど、知られざるサメの生態や国内外のサメ文化を一冊の書籍にまとめた。「サメにまつわる誤解や偏見を解きたい」。入門書として幅広い世代に手に取ってもらおうと、駿河湾に生息するサメを中心に自らの体験を交えて解説している。

 沼口さんは東海大海洋学部・大学院(同区)出身で、在学中、サメの研究にのめり込んだ。大学院修了後は都内のIT企業に約8年間勤務したが、「自分の強みで勝負したい」と、2012年からシャークジャーナリストとして執筆や講演活動を開始。「サメの種類数はおそらく日本一」とする駿河湾を拠点に、国内外を駆け回っている。

 自身初の単行本となった「ほぼ命がけサメ図鑑」(講談社、税抜1800円)には、これまでの取材の成果を詰め込んだ。掲載したのは駿河湾に生息するカグラザメやミツクリザメなど22種。「サンゴの上をはうようにひれで歩く」「サクラエビを食べる」など、ユニークな生態のサメも盛り込んだ。

 焼津ではかつて深海サメ漁が盛んで、サメの肝油が旧日本海軍の艦上戦闘機(ゼロ戦)の潤滑油として使われていたことなど、国内外のサメにまつわるエピソードや文化、料理も紹介している。

 沼口さんは人間がサメに対し過剰な恐怖心を抱くようになったのは映画「ジョーズ」がきっかけだったとし、「サメが人を狙って襲ってくることはまずない」と指摘する。水族館で子どもが触れるサメでも、目撃されただけで海水浴場が遊泳禁止になるニュースが流れ、憤りを感じるという。万が一遭遇しても不用意に近づかないなど、書籍を通じて多くの人にサメを正しく理解してもらい、「人食いザメという言葉を無くしたい」のが沼口さんの願いだ。

静岡新聞社