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NEC、次世代ものづくりを具現化する共創型体験スペース「NEC DX Factory」を開設

6/15(金) 6:00配信

Impress Watch

 日本電気株式会社(以下、NEC)は14日、製造業向けに、AI・IoTなどの先進技術を活用して次世代ものづくりを具現化する共創型体験スペース「NEC DX Factory(エヌイーシー ディーエックス ファクトリー)」を、NEC玉川事業場(川崎市中原区)に開設すると発表した。

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 同日に行われた説明会では、「NEC DX Factory」の目的や概要について説明するとともに、次世代ものづくりに向けた先進技術やソリューションを統合した製造ラインのデモが公開された。

 NECでは、日本の製造業を顧客とともに強くしていく取り組みとして、2012年から「ものづくり共創プログラム」を推進しており、現在(5月25日時点)1143社4305名が「ものづくり研究グループ」に参加しているという。その中で、製造業のさまざまな業種業態の顧客による情報交流や分科会・研究会などを通じて、積極的に顧客との共創活動を実践している。

 今回の「NEC DX Factory」は、この取り組みさらに加速させ、より具体的な共創活動を推進していく拠点として開設するもの。

 NEC 執行役員の松下裕氏は、「現在のものづくりは、製造ラインの一部でデジタルによるデータ収集が行われており、限られた工程のみでタイムリーかつ定常的な状況把握が可能となりつつある。しかし、これからのものづくりでは、工場全体をデジタル化してバーチャルに再現し、調達から出荷まですべての製造工程をシミュレーションできるようにする必要がある。そして、その結果を現実のプロセスにフィードバックすることで、製造ラインの最適化や失敗リスクの低減が可能になると考えている。今回、こうした次世代のものづくりを具現化するための共創型体験スペースとして、『NEC DX Factory』を立ち上げる」と、ものづくりの未来を見据えた取り組みであることを強調した。

 「NEC DX Factory」では、NECとNECのパートナー企業・団体の先進技術・製品や、NEC自身のものづくり革新ノウハウを融合したソリューションなどを集約した製造ラインを設置しており、これを利用することで次世代のものづくりを体験することができる。

 「NEC DX Factory」の活用目的について松下氏は、「先進技術の検証」「顧客との共創」「NECグループのものづくり革新」の3つを挙げ、「NECやパートナー企業の先進技術やソリューションを検証するとともに、顧客に次世代のものづくりを体験してもらうことで、顧客と共同で新しいアイデアや価値の創出を行っていく。また、社内の関係者と価値を共有し、NECグループ内への適用技術の検討や将来のソリューション開発を加速していく」との考えを示した。

 「NEC DX Factory」に設置された製造ラインは、「部品投入」「加工・搭載」「組立」「検査」の4つの工程で構成され、その中に、AI・IoT、生体認証などの先進技術を活用した次世代ものづくりソリューション「NEC Industrial IoT」を始め、パートナー企業・団体のロボット、FA機器やIoTデバイスなどを実装している。NEC ものづくりソリューション本部 主幹の北野芳直氏は、「この製造ラインには、工場のスループット向上や品質管理を強化するための11種類の先進技術やソリューションを集約している。これにより、部品の投入から加工・搭載、組立、検査に至る製造工程において、次世代のものづくりを体験することができる」と説明した。

 具体的には、まず「部品投入」の工程では、生産ラインと連携し、AGV(無人搬送車)の動きを最適化する「AGV最適制御ソリューション」を実装。さまざまな手段で取得した位置情報を元にAGVを最適配置する。

 「加工・搭載」の工程では、「個体識別情報管理ソリューション」の物体指紋認証により、投入された部品の個体を識別し、トレーサビリティや品質管理に活用する。「例えば、生産指示が出されると、AGVが必要な基盤を生産ラインまで自動で運んでいく。運ばれてきた基盤は、生産ラインの先頭で基盤の側面を撮影し、物体指紋を登録することでトレーサビリティを実現する」(北野氏)という。

 「組立」の工程では、NECの耐騒音性音声認識エンジンを活用し、音声や画像で作業指示を行うとともに、作業実績をデータ化・分析する「人作業ナビゲーション」を実装。また、ウェアラブルデバイスを活用して心拍変動データから感情を可視化する「感情分析ソリューション」、および顔認証技術を活用し、スキル保有者かどうかを判定する「顔認証なりすまし防止ソリューション/なりすまし防止ソフトウェア」を導入している。「これらの先進技術によって、人がかかわる作業を大幅に効率化できるとともに、業務改善や不正防止にも役立てることができる」(北野氏)としている。

 「検査」の工程では、PLM-SCM-MES/IoT連携によって、一品ごとに異なる製造指示を正確かつ迅速に伝達。さらに、ディープラーニング技術を搭載する「NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習」を活用した「AI Visual Inspection」による外観検査を実施する。

 このほか、製造ライン全体を支える先進技術として、映像で現場の異常を監視・検知する「高度映像解析行動検知ソリューション」、製造現場のデータを統合し活用を容易にする「NEC Industrial IoT Platform」、複数無線経路を仮想化し超高速で経路切り替えを行う「高信頼無線技術」、モノの動きや滞留を見える化する「SCM Performance Monitoring」を実装している。

 なお同社では、「NEC DX Factory」を、8月1日から顧客に向けて開放する予定で、次世代ものづくりに向けた技術検証やアイデア創出など、より具体的な共創活動を推進していく考え。

クラウド Watch,唐沢 正和

最終更新:6/15(金) 6:00
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