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W杯拡大路線の試金石 次から48チーム出場?

6/15(金) 7:55配信

産経新聞

 国際サッカー連盟(FIFA)は13日の総会で2026年大会を米国、カナダ、メキシコの3カ国共催と決定した。26年から出場チーム数が現行の32から48になる方針も決まっている。W杯の肥大化が止まらない。

 ロシアW杯が32チームで実施される最後の大会になる可能性も否定できない。FIFAは10日の理事会で、次回の22年カタール大会から出場枠を48に前倒しして増やす案を検討した。カタールの合意が得られなかったものの、くすぶっている。

 出場枠は加速度的に拡大している。40年前の1978年アルゼンチン大会の16は、82年スペイン大会で24に、98年フランス大会で32に増加。そして遅くても2026年大会からは48になる。FIFAの報告書では出場枠を48にすれば、収入は今大会で予想される55億ドルから2割増え、利益も6億4000万ドル増加する試算がある。FIFAの拝金主義が透けて見え、拡大路線に否定的な声がやまない。

 出場枠が増えれば、実力差が広がり、結果的に退屈な試合が増える可能性もある。1次リーグを3チームずつの16組に分ける形は不公平感があり、報告書では競技の質を保つ上では現行の32が最良と認めてもいる。

 32チームで開催される今大会で、各試合の質や大会にかかる開催国や都市の金銭的な負担などを細かくはじき出し、拡大路線の是非を判断する指標とする必要がある。

 W杯はファンのものでもある。質の低下した世界一決定戦になればファンは興味を失い、FIFAは人気と収入の双方を失う。あるドイツメディアは「国際サッカーのレベルを決める役割は欧州チャンピオンズリーグ(CL)が果たしている。W杯はファンを開拓するものだ」と指摘した。拡大路線の善しあし、W杯の役割を見極める重要な大会が始まった。(小川寛太)

最終更新:6/15(金) 7:55
産経新聞