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2つの超級山岳越えステージはクラークアンデルセンが逃げ切り 【ツール・ド・スイス2018 第6ステージ 】

6/15(金) 9:54配信

Cyclist

ポートは総合リード広げる

 大会後半戦に入ったツール・ド・スイスは、6月14日に第6ステージを実施。超級山岳を2つ越える、今大会のクイーンステージと目された1日は序盤から先行した選手たちによるステージ優勝争いとなった結果、ソーレン・クラークアンデルセン(デンマーク、チーム サンウェブ)が逃げ切り勝利を挙げた。その後方では総合上位陣による駆け引きが繰り広げられ、個人総合首位のリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム)がライバルを振り切ってフィニッシュ。総合リードを広げることに成功している。

最大18人がレースをリード
 9日の開幕以降、スイス北部から徐々に南下してきたプロトンは、この日から折り返して北上する形に。スイスアルプスの山あいの村・フィエッシュをスタートし、ゴンミスヴァルトを目指す186kmは今大会2番目のレース距離。

 スタートして20kmを過ぎたあたりからこの日最初の上りが始まり、39.5km地点で1つ目の超級山岳を通過。40km以上にわたって下りが続いたのち、2つ目の超級山岳が119.8km地点で頂上通過。再び長いダウンヒルからの平坦路が待ち受ける。最終盤はフィニッシュ前3kmから3級山岳の上りが控え、最後の500mで頂上を通過するとフィニッシュラインまで一気に駆け下るようなレイアウトだ。

 そんな難コースであることも関係してか、レースは序盤から大人数が先行。多くのチームが1人ないし2人を前へと送り込んだことから、早い段階で逃げグループとメイン集団との構図が明確となる。最大で18人が先行し、メイン集団はリーダーチームのBMCレーシングチームがコントロールする。

 逃げメンバーのうち最上位は、総合タイム差2分31秒差につけるマキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・スーダル)。やがてバーチャルリーダーとなり、3~4分のタイム差で先を急ぐ。その間、1つ目の超級山岳をネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン)が1位で通過している。

 大人数だった逃げグループに変化が生まれたのは、2つ目の超級山岳へ入ってから。頂上を前にレイン・タラマエ(エストニア、ディレクトエネルジー)が飛び出し独走を開始。そのまま頂上を1位通過し、ダウンヒル区間へと移っていく。追走へとシフトした他のメンバーも人数が絞られていき、下りの途中でタラマエに合流した選手は7人となっていた。

 一方のメイン集団は淡々と進行。マイヨジョーヌのポートを守りながら、BMCレーシングチームが完全に主導権をもってレース後半へと進んだ。

3級山岳上りでトップに立ったクラークアンデルセンが快勝
 フィニッシュまで約20kmを残した段階で3分以上のリードを保った逃げグループ。タラマエら2人が脱落したものの、6人は平坦区間も攻め続けて逃げ切りにかけた。メイン集団も急ぐ素振りは見られず、BMCレーシングチームを中心に終盤へと備える。逃げと集団とのタイム差が本格的に縮まり始めたのは残り10kmを切ってからだった。

 先頭をキープした6人は、いよいよこの日最後の上りへ。ステージ優勝争いは平均勾配6.6%の3級山岳へとゆだねられた。

 残り2.3kmで仕掛けたのはミヒャエル・ゴグル(オーストリア、トレック・セガフレード)。一気のアタックで決定的なリードを奪ったかに見えたゴグルだったが、徐々にその勢いが衰えていく。そして頂上目前でクラークアンデルセンが逆転。そのままフィニッシュまでの下りへと入っていく。その後ろからはハースが猛追したが、クラークアンデルセンも最後までしっかりと踏み続け、追い上げをかわした。

 誰よりも早くフィニッシュラインを通過したクラークアンデルセンは、これがプロ2勝目。UCIワールドツアーでは記念すべき初勝利となった。これまでは逃げのほか、スプリントやタイムトライアルでも上位進出をしてきたスピードマンだが、山岳でも強さを証明してみせた。

 ステージ優勝争いの後方では、メイン集団に大きな動きが発生していた。最後の上りが始まるとともにナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が前方へポジショニング。これをきっかけに集団は一気にペースアップした。激しさを増した有力選手同士の位置取りから、ポートが満を持してアタックする。

 ポートの動きにキンタナやシモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン)、ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム)といった総合優勝候補が続くが、ハイスピードを維持するポートの走りに徐々に対応しきれなくなっていく。そうしてライバルを振り切ることに成功したポートは、単独で逃げメンバーへの合流に成功。クラークアンデルセンまで追い付くことこそできなかったが、ステージ3位を争う選手たちに続いてフィニッシュへ。総合系ライダーの多くがポートから12秒差の集団でステージを終えたこともあり、マイヨジョーヌ争いでリードを広げることに成功した。

 これらを受けて、個人総合ではポートが2位に32秒差をつけて首位を堅守。2位と3位にはウィルコ・ケルデルマンとサム・オーメン(ともにオランダ)の、チーム サンウェブ勢が続いている。また、山岳賞ではこの日2カ所の超級山岳をとも2位通過したマーク・クリスティアン(イギリス、アクアブルースポート)が、前日までに得ていたポイントと合わせてトップに立っている。

 NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニから参戦する2人の日本人選手、初山翔と伊藤雅和はそろって24分45秒差のグルペットでステージを終えている。

 15日に行われる第7ステージは、超級山岳アローザの頂上フィニッシュ。最終盤にかけて厳しくなる勾配は、ステージ・総合ともに激しい勝負となること必至。有力選手たちの戦いぶりに注目が集まる。なお、レース距離は170.5kmに設定されている。



第6ステージ結果
1 ソーレン・クラークアンデルセン(デンマーク、チーム サンウェブ) 4時間59分53秒
2 ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) +10秒
3 ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +24秒
4 マキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・スーダル) +25秒
5 シリル・ゴティエ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
6 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +27秒
7 ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、トレック・セガフレード) +29秒
8 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ) +39秒
9 アルテュール・ヴィショ(フランス、グルパマ・エフデジ)
10 マティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
132 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +24分45秒
133 伊藤雅和(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)

個人総合時間賞
1 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 22時間4分13秒
2 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +32秒
3 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ)
4 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) +33秒
5 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +41秒
6 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +45秒
7 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +48秒
8 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ) +52秒
9 シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン) +58秒
10 ミケル・ランダ(スペイン、モビスター チーム) +59秒
131 伊藤雅和(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +1時間8分22秒
138 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +1時間14分26秒

ポイント賞
1 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 22pts
2 カルヴィン・ワトソン(オーストラリア、アクアブルースポート) 19pts
3 ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) 18pts

山岳賞
1 マーク・クリスティアン(イギリス、アクアブルースポート) 33pts
2 ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) 32pts
3 ロマン・シカール(フランス、ディレクトエネルジー) 22pts

新人賞
1 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) 22時間4分45秒
2 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) +1秒
3 ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) +53秒

チーム総合
1 モビスター チーム 65時間34分26秒
2 アスタナ プロチーム +1分39秒
3 バーレーン・メリダ +1分49秒

最終更新:6/15(金) 9:54
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