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前後ぶった切り! 孤立して120mだけ存在する立派な4車線道路 不思議な風景、その背景

6/15(金) 11:49配信

乗りものニュース

まだ車両は走らない 完成後をイメージするための道路

 東京の郊外に位置する埼玉県志木市。また農地も多く残る住宅街に、ちょっと不思議な道路が存在します。車道4車線の新しい道路ですが、たった120mほどで途切れてしまううえ、道路の前後には車両が進入できないよう柵がしてあるのです。

【地図】モデル道路はその一部 「和光富士見バイパス」の地図

 この道路、車線やゼブラ帯など、道路に必要なマーカー類はしっかり引かれています。車道と歩道のあいだには街路樹が植えられ、さらに歩道は自転車の通行エリアがカラー舗装や看板で区分けされています。一見して工事中の道路とは思えないほど造り込まれてはいますが、周囲で延伸工事が行われている形跡はありません。この道路は何なのか、埼玉県県土整備部 朝霞県土整備事務所に聞きました。

――あの道路はどのような目的で造られたのでしょうか?

 国道254号「和光富士見バイパス」のモデル整備区間(以下、モデル道路)です。市民の皆様に完成後の道路をイメージしていただけるよう、車道の白線やカラー舗装なども含めて整備しています。車道の両側に設ける「環境緩衝帯」のあり方を市民の皆様とともに検討する「環境緩衝帯整備検討協議会」で、「用地買収ができているような箇所で、(完成後の姿を)目に見える形で示せないか」というご意見があり、それを受けて2012年から2013年にかけて建設しました。

――どう使われているのでしょうか?

 維持管理は行っているものの、建設から少し年月が経っていることもあり、最近は事業説明会などでは使っていません。ただ2017年秋には、地元住民の方々によるまちおこしイベントの場として使われました。

「モデル道路」のおかげ? 事業が大きく進捗

――「和光富士見バイパス」はどのような道路なのでしょうか?

 外環道の和光北IC出入口に位置する国道298号松ノ木島交差点(埼玉県和光市)から朝霞市、志木市を経由し、国道254号「富士見川越バイパス」(もと富士見川越有料道路、2009年無料化)入口である富士見市の下南畑交差点へとつなぐ全長約6.9kmの道路です。すでに和光市、朝霞市内の第一期整備区間約2.6kmは開通しています。

――事業の進捗や、開通の見込みはいかがでしょうか?

 第二期整備区間は、「富士見川越バイパス」に接続する下南畑交差点で立体交差工事を進めていますが、それ以外の区間ではまだ工事を開始していません。2017年度は、志木市区間の設計を固めました。第一期整備区間では、和光北ICに接続する松ノ木島交差点付近で渋滞対策のための車線増設、および(朝霞市の新河岸川に架かる)朝霞大橋以南を暫定2車線から4車線にする工事を進めています。第二期整備区間はまだ用地買収が完了していないこともあり、具体的な開通目標などはお示しできていませんが、なるべく早く開通できるよう事業を進めます。

※ ※ ※

 朝霞県土整備事務所によると、モデル道路の建設には第二期整備区間の事業を進捗させる目的もあったといいます。「『和光富士見バイパス』の事業は1984(昭和59)年度に着手していますが、モデル道路を建設したころ(2012年度ころ)は、用地買収率が5割程度でした。それが現在は9割以上の区間で完了していますので、用地買収率の向上に大きな効果がありました」とのことです。

 ちなみに、このようなモデル道路を建設する取り組みはほかでも。たとえば2018年6月2日に開通した外環道 三郷南IC~高谷JCT間には、千葉県松戸市から市川市にかけての沿道に4つのモデル道路が建設されていました。

乗りものニュース編集部

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