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最も死亡率低いのは7時間睡眠/森田豊の健康連載

6/15(金) 10:00配信

日刊スポーツ

<ドクター森田の「健康になりなさい!」(23)>

 それぞれの人の体質によって、適切な睡眠時間は異なります。たとえば、ショートスリーパーで有名なのは、ナポレオンの3時間、エジソンの4時間、レオナルド・ダビンチはなんと90分ともいわれています。

 睡眠時間が長いロングスリーパーの例としては、アルバート・アインシュタインと白鵬が10時間、ノーベル賞を受賞された小柴昌俊氏は11時間といっています。

 14年に発表された厚労省による「健康づくりのための睡眠指針」では、若年世代(10代前半まで)の適切な睡眠は8時間以上です。若い世代は睡眠時に出る成長ホルモンでたくましく育つため、睡眠時間がたっぷり必要です。寝床での携帯電話やゲーム機はやめたほうがいいでしょう。

 働く世代(25~45歳)では、25歳は約7時間、45歳は約6時間半だそうです。睡眠不足は疲労や心身の健康リスクを上げるだけでなく、作業効率の低下や事故などの危険性を高めます。また、「日曜は昼頃起きます」といった休日の寝だめは効果が期待できないとされています。

 熟年世代(65歳以上)はほかの世代より短く、約6時間です。長い時間眠ろうとすると逆に熟睡感が得られない、という人が多い世代でもありますが、日中に運動するとよく眠れるでしょう。7時間睡眠にこだわる高齢者も多いですが、無理に寝ようとすると、かえって睡眠が浅くなって夜中に目が覚めやすくなり、結果として熟睡感が得られなくなります。目がさえたら無理に眠ろうとせず、ラジオや読書をしながら自然な睡魔を待ちましょう。

 データをもう1つご紹介します。名古屋大学大学院などのグループが、日本人約11万人の睡眠時間を調べたところ、約7時間寝る人の死亡率が最も低く、それより長くても、短くても、死亡率が高くなることが、約10年間の追跡調査でわかりました。睡眠時間が4時間以下だと、男女ともに死亡率が1・6倍も高く、また、10時間以上だと、男性で1・7倍、女性で1・9倍も死亡率が高くなるのです。睡眠時間が死亡率とつながっている研究結果も、驚きです。

 ◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビではコメンテーターのほか、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)など人気番組の医療監修も数多く務める。著書は「今すぐ『それ』をやめなさい!」(すばる舎)「ダイエットはオーダーメイドしなさい!」(幻冬舎)「ねぎを首に巻くと風邪が治るか?」(角川SSC新書)など。気分転換は週2回のヨガ。

最終更新:6/15(金) 10:08
日刊スポーツ