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骨抜きの受動喫煙対策にがん患者が訴え 「死んでいく年間1万5千人の声聞いて」

2018/6/16(土) 8:05配信

BuzzFeed Japan

受動喫煙対策が骨抜きとなった政府の「健康増進法改正案」が6月15日、衆議院厚生労働委員会を通過した。

委員会に参考人として呼ばれたがん患者団体の代表2人が強く反対を訴えたが、原案通り可決した。ただし、付帯決議で、施行後、速やかな見直しの必要性などが盛り込まれ、患者の声がわずかでも汲み取られた。

日本肺がん患者連絡会理事長の長谷川一男さん(47)は、議員らの前でコルセットを外して訴えた。「病気で背骨が脆くなり、少し力がかかると潰れて下半身不随になる」ステージ4の肺がん患者だ。

その危険を冒しても訴えたかったのは、受動喫煙の害。自分がタバコを吸っていなくても、健康を、命を失う残酷な現実だ。
【BuzzFeed Japan Medical / 岩永直子】

「受動喫煙によって病気になったと思う」

長谷川さんは喫煙歴はないが、父親が1日に2箱吸うヘビースモーカーだった。父親は「なぜたばこの害をきちんと教えてくれないのか」という言葉を残して肺がんで死亡したという。

父からだけでなく、職場でも受動喫煙を経験した。長谷川さんは参考人質疑で、こう切り出した。

「受動喫煙によって病気になったのではないかと思っている人間です」

「今回の政府案に私は強く反対します。塩崎前厚労大臣の案においては『受動喫煙をなくす』『国民の健康と命を守る』という姿勢が明確に示されていましたが、現政府案はその姿勢が大幅に後退している」

学校に喫煙場所を設ける矛盾

この政府案では、学校の敷地内に喫煙場所を設ければたばこを吸うことを認めている。国は、学校教育でがんを正しく理解し、予防や早期発見へと繋げることを目指している。長谷川さんはこれは矛盾だと指摘した。

「最大のがん予防は喫煙しないことです。それだけでなくたばこには他人を傷つけることもあること、受動喫煙も学びます。そうした中で、学校で喫煙場所を設けることをこの法律は認めようとしている。言っていることとやっていることが異なる。大人として絶対にやってはならないことを認めようとしています」

「自分を大切にし、他人も大切にすることを教える学校で、自分を大切にせず、他人を傷つけるたばこを吸えるようにする法律が進められようとしています。これはおかしい」

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最終更新:2018/6/16(土) 8:05
BuzzFeed Japan

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