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LED ZEPPELINの『PRESENCE』は麻薬的な中毒性を秘めた大傑作!

6/17(日) 18:00配信

OKMusic

OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!』のアーカイブス。今回はLED ZEPPELINの『PRESENCE』をピックアップ! 甲乙付けが高い名作揃いの中、進化と成熟の末に辿り着いた7thアルバム『PRESENCE』の魅力と凄味を暑苦しく語りたい。
※本稿は2014年に掲載

ロックの得体の知れない凄味を 脳天に打ち込んでくれる傑作

僕のロック原体験はLED ZEPPELINだ。遡ること20数年前、高校一年生の時に何を聴けばいいかわからず、CDショップでZEPPELIN全作品の中から無作為に取り出した音源が7thアルバム『PRESENCE』('76年)だった。そこで運命的な出会いを果たす。いや、正直に言うと、最初は微塵も良さがわからなかった。

ロック経験値ゼロの若造にその敷居はあまりにも高かった。“何だこれは?”“これがロック?”“失敗したかな?”と心の中で呟きながら、何度も聴き返すうちに大好きなアルバムになった。今では全カタログの中で私的最高傑作であり、自分の人生でもっとも聴いてる作品であり、無人島で一生聴いても飽きない必携盤である。古色蒼然たる佇まいを蹴散らし、聴く度にロックの得体の知れない凄味を脳天に打ち込んでくれる。こんなロックアルバム、いまだに出会ったことがない。

永遠にループして聴ける 極上のスルメ・アルバム

その超然たる輝きを担うのが、オープニング曲「Achiles Last Stand(邦題:アキレス最後の戦い)」の存在感だろう。誰もが知る有名曲「Rock and Roll」「Stairway to Heaven」に負けず劣らずの大名曲だ。これを聴くためにCD一枚分の金額を払っても惜しくない。冒頭から10分超えの長尺曲にもかかわらず、頭から最後まで金縛り状態の緊張感に包まれながら聴ける。夜明けを告げるような印象的なジミー・ペイジのアルペジオで始まり、ジョン・ボーナムのドラムは大地を力強く疾駆する駿馬の姿が脳裏に浮かび、なんともロマンチックな気分に駆られるのだ。淡々と進行するようで、ジワジワと胸に迫り来るドラマ性は結尾に向かうにつれ、沸点を迎えるようなストーリーさえ感じさせる。完璧な構築美であり、まさに永遠の10分がここにある。

そして、どこか気怠いムードを放つ2曲目「For Your Life」以降も粒立った楽曲が並んでいる。リズムが強調されたファンキーなグルーブが心地良い「Royal Orleans」、ブラインド・ウィリー・ジョンソンの同名曲を基にしたと言われている「Nobody's Fault But Mine」はロバート・プラントのセクシーな歌い回しとユニゾンするギターフレーズにゾクゾクさせられ、軽快なノリと独特なタメに体が思わず動き出す。ロカビリー風の歌い回しがユニークな「Candy Store Rock」、最終曲「Tea For One」の哀愁漂うスローナンバーも実にいい。2曲目以降、ずば抜けた派手さはないかもしれない。しかし、全7曲収録タイム44分は短すぎず長すぎず、僕にとっては永遠にループして聴ける極上のスルメ・アルバムなのだ。

前作の2枚組大作『PHYSICAL GRAFFITI』('75年)は制御不能の音楽欲とクリエイティビィティが爆発していたが、『PRESENCE』はそれとは対極に位置するアプローチだった。無駄を極限まで削ぎ落としたソリッドでシンプルな演奏が存分に味わえる。その意味でも実に人間臭く、音の行間からメンバー4人の生々しい息づかいが響いてくるようだ。

バンド自体はその後、ライヴ盤『THE SONG REMEINS THE SAME』('76年)を挟んで、オリジナル・ラスト作『IN TOROUGH THE OUT DOOR』('79年)を発表した翌年、希代の凄腕ドラマーであるジョン・ボーナムの死を受けて80年に解散した。ZEPPELINはどれも傑作でどの作品から入っても間違いないが、もしこれから聴いてみようという人がいるなら、麻薬的な中毒性を秘めた『PRESENCE』を入門作として全力で推したい。

TEXT:荒金良介

最終更新:6/17(日) 18:00
OKMusic

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