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「軍事ジャーナリストという肩書きを過信」 ニュース女子問題、東京MXから6つの回答

2018/6/17(日) 16:59配信

BuzzFeed Japan

沖縄の基地問題について、取材や裏付けなしに侮蔑表現を含んだ放送をして問題となった東京MXの番組「ニュース女子」。【BuzzFeed Japan / 播磨谷拓巳】

東京MXによる再発防止策が公表された。そこから、テレビ局が抱える課題が見えてくる。

ニュース女子をめぐっては、放送倫理・番組向上委員会(BPO)が2017年12月14日、「重大な放送倫理違反があった」と指摘していた。

これを受けて東京MXは、2018年3月に再発防止策を報告したが、BPOは「具体的な改善策への言及」が不十分と批判し、追加回答を求めていた。

今回、東京MXが再提出した再発防止策を、BPOは6月11日に公表した。BPOが指摘した6つの問題点への回答、具体的改善策はなにか。公表された資料を読む。

「注意と配慮を欠いた」と認める

まず、今回提出された報告書では、東京MXは当初の「放送法及び放送基準に沿った制作内容」という見解を取り消し、「注意と配慮を欠いたため、諸方面から批判を受けるような内容の放送をした」とした。

以下、6つの回答について個別に見ていく。

BPOは東京MXに対し、以下の6点を指摘していた。

1.抗議活動を行う側に対する取材の欠如を問題としなかった
2.「救急車を止めた」との放送内容の裏付けを確認しなかった
3.「日当」という表現の裏付けを確認しなかった
4.「基地の外の」とのスーパーを放置した
5.侮蔑的表現のチェックを怠った
6.完パケでの考査を行わなかった

今回の報告書では、これらへの回答があった。

1.抗議活動を行う側に対する取材の欠如を問題としなかった

BPOがMXにヒアリングをし、まとめた報告書によれば問題の放送回について考査が通した理由として、MXは以下のような説明していた。

(のりこえねっと代表の辛淑玉氏には)今回は取材しなくても別の機会で取材すればよいと判断
制作に関与していないため考査で取材内容のすべてを判断できるわけではない
番組として珍しく現地取材に行っているので、それなりに取材をしたものと信じた


MXの回答:「番組出演者であるA氏の『軍事ジャーナリスト』という肩書きにより、専門的見地からの情報であると過信してしまい、沖縄の米軍基地建設反対運動に参加する人々への取材がされていないことを看過してしまいました」

2.「救急車を止めた」との放送内容の裏付けを確認しなかった

番組内で軍事ジャーナリストの井上和彦氏が地元住民に、「(反対派が)救急車を止めたという話もあるが」と聞き、住民は「それはあります」と答える場面があった。

BPOはこれについて、「現地の消防本部の資料などによれば、救急車の現場到着が大幅に遅れたケース自体が見当たらない。反対運動による渋滞の列に救急車がいたという情報が仮にあっても、それは反対派が実力で救急車を止めたという本件放送の伝えた事実とは趣旨をまったく異にしており、到底その裏付けにならないことは明らか」と指摘していた。

MXの回答:「『救急車の停止』について当社は当初、制作会社の取材及び番組内での住民インタビューにおいてそのようなことがあったと紹介されていたため、現地の消防や警察への確認を怠ってしまいました」

3.「日当」という表現の裏付けを確認しなかった

番組内で、「反対運動の裏にあるカラクリ」として「反対派は日当をもらっている!?」と伝えている場面がある。日当の証拠として登場するのが、1枚の「ビラ」と「2つの茶封筒」。

井上氏は地元のラジオDJとともに、ビラについて、反対運動への参加を呼びかけるもので、「東京で配られた」「5万円をあげると書いてある」と紹介した。

BPOは「本件放送で示した茶封筒のカラーコピーや人権団体のチラシは、基地建設反対派は誰かの出す日当をもらって運動しているという疑惑を裏付けるものとは言いがたい」とした。

MXの回答:「『日当』という表現と『交通費相当』という表現とが、正確に使い分けられておらず、混用されていたことに対し、経費として扱うならば同様との認識から看過してしまいました。この結果、人権団体が拠出したのは交通費の補助であったにもかかわらず、日当相当との誤解を与えてしまいました」

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最終更新:2018/6/17(日) 16:59
BuzzFeed Japan

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