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「原付2種」免許の教習日程短縮へ 「世界標準」の125cc乗りやすく 「日本独自」50ccの今後は

6/18(月) 6:20配信

乗りものニュース

週末2日で取得可能に

 排気量125ccまでのATバイクに乗れる「AT小型限定普通二輪免許」について、これを普通自動車免許保有者などが取得する場合の教習にかかる日数が、最短3日から2日に短縮される見通しです。すでに警察庁と国家公安委員会が、この内容を踏まえた道路交通法施行規則の改正案を確定しており、7月中にも施行される見通しです。

【表】AT限定小型二輪、教習日程はこう変わる

 排気量125cc以下のバイクは「原付2種」と呼ばれ、地の色がピンクの原付ナンバープレートが交付される車両です。現状で普通免許保有者などがAT小型限定普通二輪免許を取得する際には、8時限の技能教習と1時限の学科教習が必要。1日あたりの技能教習が第一段階(基本操作および走行、計3時限)で2時限まで、第二段階(応用走行)で3時限までとされており、教習終了に最短でも3日を要しました。

 改正後は、1日のなかで所要の休息時間が設けられることで、1日あたりの技能教習が第一段階で3時限まで、第二段階で4時限までに引き上げ。教習終了までに必要な日数は最短で2日となり、週末の2日間で取得することも可能になります。

 法令改正にあたり警察庁が4~5月に実施したパブリックコメント(意見募集)には、「技能教習は継続的に実施したほうが習得しやすいため問題ない」「2日間で教習を修了できることは免許取得の利便性につながる」といった賛成意見や、「1日4時限の技能教習を受ける教習性の理解度には問題がある」といった反対意見など、計78件が寄せられました。

 警察庁は実験教習を行った結果、上限時間を1日1時限ずつ引き上げても安全性や教習効果への影響はないと認められたことを踏まえ、改正に至ったとしています。また、関係団体などからも、利用者の利便性を向上させるために、日程を短縮してほしいと要望があったとのことです。

125cc「原付2種」とはどんな存在なのか

 警察庁へ教習日程の短縮などを要望していた関係団体のひとつが、日本自動車工業会(自工会。東京都港区)です。自工会では2010(平成22)年から、警察庁への要望活動とともに二輪車の有用性の啓発などを行ってきたそうです。

 日本自動車工業会によると、原付2種はその多くが通勤・通学・業務上の移動手段などに利用されているとのこと。「スクーターやビジネスタイプのAT車(クラッチのないもの。「スーパーカブ」などを含む)が9割程度を占め、サイズ感や操作方法なども原付1種(50cc以下)に非常に近いものです。一方で原付1種と異なり、最高速度30km/h規制や第一通行帯の通行義務、二段階右折の規制がないことから、旅行速度が速く、都市部の移動手段として優れています」といいます。

 日本自動車工業会はさらに、燃費や経済性、自動車と比べて小さい走行空間など、都市部の移動手段として原付2種の有用性を挙げます。「125ccクラス(原付2種)は、アジアにおいては庶民の生活モビリティとして最もスタンダードなものであるほか、EU主要国でもその有用性を踏まえ、125ccクラス二輪車の免許条件が緩和されてきました。一方で日本では、免許取得の負担が重いことが、普及を阻む要因のひとつになっていると考えられます」とのことです。

 そのような状況があるなか、「AT限定小型普通免許を取る人は確実に増えています」と話すのは、指定自動車教習所である平和橋自動車教習所(東京都葛飾区)の担当者です。

「10年くらい前は『小型を取るなら普通二輪を取ってしまえ』と考る人もあり、AT小型限定を取る人は少なかったのですが、ガソリンが200円を超えたころ(2012年前後)を境に、マイカー通勤から原付2種に乗り替える人が増えたのです。メーカーも小型の投入を増やしています」(平和橋自動車教習所)

 加えて、都市部ではバイク駐車場などの整備があまり進んでおらず、大きなバイクが停めづらいことも挙げられるといいます。「自宅マンションは、大型バイクは停められないものの、原付2種は1種と同じ扱いでOKだから、といった理由で教習に来られる方もいます」(平和橋自動車教習所)とのことです。

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