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「喫茶ランドリー」はなぜ面白いのか? 小さな空間から始まった大きな社会実験

6/18(月) 15:00配信

bouncy

「喫茶ランドリー」という言葉を聞いて、あなたはどんなお店を想像しますか? コインランドリーが併設された、ちょっとオシャレなカフェを想像されたかもしれません。

でも、墨田区千歳にある「喫茶ランドリー」を訪れたら、そんな想像をはるかに超える不思議な光景に出会えます。店で目にするのは、非日常的な空間ではなく、輝くような素敵な「日常」です。なぜ、喫茶ランドリーは面白いのか。店を訪れた筆者が、その秘密を紹介したいと思います。

自由にこの場所を使ってください! 客が過ごし方をデザインできる喫茶店

喫茶ランドリーは、墨田区千歳のマンションが立ち並ぶ静かな住宅街の中にあります。
築56年の1階にあるお店は、大きな窓枠で外からでも店内が見渡せる開放的なつくり。喫茶スペースの奥には、洗濯機が並ぶいわゆるランドリーカフェで、見た目は、居心地の良さそうな喫茶店です。

でも、このお店が面白いのは、その理念にあります。

喫茶ランドリーが掲げるのは「どんな人にも、自由なくつろぎを提供する場所」。つまり、ここはお店側が決めたコンセプトを楽しんでもらう場所ではなく、日々、訪れた人たちが自らの発想で、店の役割を変化させていく場所なんです。

「こうやって過ごしてくださいね」という押し付けがない分、自然と客はここで何をしようかと思案しながらやってきます。

会社の同僚で集まってスクリーンを広げて会議をしたり、裁縫教室をしたりするのは序の口です。時には元美容師だった客が店で知り合った客の散髪をしたり、突然ピアノを弾く女性があらわれて昭和歌謡教室がはじまったり。週末になると、ターンテーブルが持ち込まれて店内は即席のディスコフロアに早変わりしたりします。

店側が、客の能動性を受け入れるだけで、思いもつかなかったような過ごし方が生まれます。もちろんひとりでぼんやりと、ただコーヒーを飲むことも洗濯をすることもできます。

思い思いに過ごす人たちがひとつの空間で交わり調和する奇跡

店内は決して広くありません。こんなに客が思い思いに自由に過ごしたら、窮屈なのではないでしょうか? でも実際は、お客さん同士が小さな空間で全く別々のことをしているのにも関わらず、不思議な調和が生まれています。むしろ、隣に客に話しかけたり、一緒に何かを始めたりして、それぞれ別にやってきた人たちが交わることが、よく起きるそうです。「話しかけてもいい空気感」のようなものが、喫茶ランドリーにはありました。

なぜ不思議な調和が起きるのか。喫茶ランドリーのオーナーで、株式会社グランドレベル 代表取締役の田中元子さんは、「この店に来る人たちは、店内にいる人たちと同じ時間を共有したいという前向きな気持ちで、それぞれにいい体験をしたい、と考えてくれているからでは」と言います。

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最終更新:6/18(月) 15:00
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